・お悩み
定年後フリーでコンサルタントをしたいと思っている。
特に業界で有名な専門職とまではいかないが、入社以来ずっと特定の業界に関わってきた。技術的な面についてはかなり詳しいほうだ。
フルタイムは無理なので、週2~3日働ければよい。年金もあるしそこそこ稼げればよいと思っている。
わかりました。
技術をお持ちならフリーでコンサルタントで稼ぐこともできます。
ただ、定年後となると求人も多くは無いので、ご自分での営業活動なども必要になってきます。
まずは、フリーコンサルタントの概要から見ていきましょう。
フリーコンサルタントとは?
フリーコンサルタントとは、企業に属さず業務委託契約を通して外部から企業のサポートを行うフリーランスのコンサルタントのことです。
自由な時間を確保しつつ相応の収入も見込めるフリーコンサルタントという職業は、専門スキルを持つシニアに向いているといえるでしょう。
フリーコンサルタントのメリット
1.自分の好きな仕事を選べる
自分が興味がある仕事、得意な仕事を能動的に行っていけるという点でが、まず挙げられます。
今までのように企業に所属していると、どうしても会社都合で自身の意図しないプロジェクトにアサインされてしまうことがあります。一方、フリーコンサルであれば案件選択はすべて己の裁量でおこなえるため、そうしたおそれが無くなります。
2.仕事の量や場所をコントロールできる
自己の都合により、フルタイムやパートタイムの案件を選べます。体力的な問題や他にやりたいことがあるシニアには嬉しい限りです。
また、業務委託契約の場合、契約内容に記載がない限りはフリーランスの業務時間や仕事場所を後付けで制約出来ない決まりになっています。そのため、契約内容次第では時間や場所に縛られないワークスタイルが可能です。
フリーコンサルタントのデメリット
1.収入が不安定になる
フリーランスのコンサルタントは稼働していなければ報酬はゼロになってしまいます。そのため、報酬を安定的に稼ぐためには継続して案件を確保し続けなければなりませんし。
また、スキルが案件獲得や報酬の高さに直結するため、高いスキル、売れるスキルを保持し続ける必要があります。
2.社会的な信用が低い
日本ではまだ、フリーランスという仕事は社会的な地位が低い傾向があります。フリーランス独立直後はまだ実績もないため、特にこの問題は深刻になります。
特に我々の年代だとフリーランスに馴染がなく、職業欄にも書きにくいものです。たまにはその歳でフリーター?と言われて、ガックリきます。
まあ、似たようなものですけど。
フリーコンサルタントの仕事のしかた
フリー・コンサルタントとして仕事をする場合、いくつかの仕事のパターンがあります。
シニアが初めてコンサルタントに挑戦する場合、どのタイプを中心に受注してくか、自分のスキルや得意技を考慮して検討することが必要でしょう。
スポット型
講演やセミナーなど、一日から数日程度の、特定の目的のための仕事です。
通常は特定の商材やカリキュラムをあらかじめ持っていて、顧客の依頼により、その内容で実施するというものです。
そのため、通常は商材を事前に揃えておいて、何らかの方法でセールスする必要があります。
単価的には高額になりやすいので、安定的に需要があれば、結構な収入になるでしょう。
常駐型(継続型)
特定の分野の仕事について、企業と業務委託契約を結んで作業を行うことです。例えば、品質管理プロセスの改善など一定の期間かかる作業などがあります。
仕事自体は1年、2年続くものでも、契約は3ヵ月毎に更新とか、1ヵ月の自動更新など、企業側ですぐにやめることができる契約条件になりがちです。
とはいうものの、よほどパフォーマンスが悪くなければ、途中で切られることは少ないので、安定的な収入になります。
プロジェクト型
各企業のプロジェクトで要員やスキルが不足する場合に、フリーコンサルタントを充てる場合も多いです。
案件的にはエージェント経由が多くなります。契約期間はプロジェクトにより様々ですが、単価的には高いものが多いです(もちろん担当分野により違います)。
顧問型
特定の分野において長年経験を積んできたプロフェッショナルが課題を抱えた企業に請われる形で顧問契約を結ぶことも多くなっています。
ただ、非常に高いスキルや見識が必要とされるため、顧問になりたくてなれるものでもありあません。
また、契約内容も一般的な業務委託契約とは異なるのが普通です。
フリーコンサルタントの開始準備のしかた
フリーコンサルタントとして活躍するためには、専門スキルがあるだけでは不十分です。
特に、定年後にフリーコンサルタントを始める場合は、圧倒的に営業力が不足しています。エージェント経由で仕事を受ける場合にも、自分のスキルをどのようにアピールするはとても重要です。
履歴書・業務経歴書の作成
まず、クライアントに提出できる履歴書・業務経歴書を完璧に作成しておくことが必要です。
偉そうに見えず、かつスキルを発揮して仕事を完遂できてることが分かる業務経歴書にする必要があるでしょう。
自分のしたい仕事(向く仕事)にアピールできるように、書き方を工夫しましょう。
自己のSWOT分析
業務経歴書を書くにあたって、自分のSWOT分析は必須です。弱みは関係なくて、強みは何なのか、売れるスキルは何なのか(Strength)。そして、どのような会社に対して売れるのか、売るのか(Oppotunity)を分析します。
ピンポイントで役に立つことが説明できないと、定年退職者を雇うなんて気にはならないですよね。
自己のセールス・ポイントをまとめる
自己のセールス・ポイントを端的にまとめておきましょう。
自分のできることは何か、どのような課題解決ができるのか、それを裏付ける実績はどのようなものか、などを具体的にクライアントに示せる必要があります。
成果物のひな形をあらかじめ作成しておく
受注をする仕事のパターンがあらかじめ決まっている場合は成果物のひな型を作っておくことが有効です。
例えば「IT教育」、「品質管理」、「仕事のRPA化」など、過去に仕事をしていれば必要な成果物は想定できます。ひな形を持っていることで自信を持って仕事を進められます。
逆に何もなく仕事を受けるのは自殺行為といえます。
提案書の準備・作成
仕事獲得のための「提案書」のひな型もあらかじめ準備しておき、引き合いがあった場合すぐに作成・提出できるように準備すべきです。
提案書の体裁を整えることは重要ですが、目次や定型文言などに時間をかけずに、中身に集中すべきです。そのためにもひな形やサンプルは重要です。
フリーコンサルタントの仕事獲得方法
フリーコンサルタントの仕事獲得方法にはいくつのパターンがあります。
ただ待っているだけでは仕事は来ないので、積極的に動きましょう。
人脈から
一番確実なのがご自身の人脈を通じて案件を獲得することです。既にスキルや得意技をご存じの方からの紹介であれば、マッチングがうまくいく確率は高く、また、紹介者の顔を潰さないため仕事にも熱が入るというものです。
定年退職にあたり、人脈の再発掘をすることが重要でしょう。
ホームページやSNSで集客する
本格的にフリーコンサルタント業を展開する場合は、ホームページやSNSで集客するという手もあります。
フリーコンサルタントとしてFacebookやTwitterなどで自身のブランディングを行っているコンサルタントの数は少ないので、自身のブランドが確立すれば同業から一歩抜きんでた営業ツールを獲得できます。
少なくとも、提案時に自分をアピールできるツールとして活用できます。
エージェント登録
案件の開拓やマッチングを専門におこなっているフリーコンサル向けの案件紹介サービスを利用することもオススメです。
案件紹介サービスはクライアントへの請求額とコンサルタントへの報酬額の間にマージンが発生しますが、求職活動期間が長引いてしまうことへのリスクヘッジとしては妥当な金額といえます。
ガッツリ稼ぎたい場合はエージェント経由が確実です。
クラウドソーシング、就職情報サイト
小さい案件などであれば、クラウドソーシングや就職情報サイトで見つけることも可能です。
エージェントは挟まないので、発注担当者と直接の交渉になります。それはそれで逆にやりやすいかも知れません。
案件獲得のために提案力、営業力が問われます。
まとめ
さて皆さん、いかがでしたか?
「定年後、フリーコンサルタントという選択」をご紹介しました。定年後の働き方を考える上での参考になったでしょうか。
やりたい仕事をやる、自由に働きたい、ということであれば、フリーコンサルタントは有力な選択肢の一つでしょう。
ただ、フリーコンサルタントで生きていくためには高いスキルが必要ですし、収入が不安定になるというデメリットも考えなくてはなりません。
ただ、定年後という状況を考えれば、たとえ収入が不安定になろうとも、自分の好きな仕事をするという選択は、ぜんぜんアリだと思います。
人生もうそれほど長くはありませんので。。。
では、明るく、楽しく、前向きに、毎日をお過ごしください。
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