サイドマウント・ダイビングの始め方(初級テクニカル編-完全解説)

eyecat-126 趣味・遊び

・この記事でわかること

・サイドマウント初心者が身に付けるべき技術がわかる

今回はいよいよ海洋での技術練習ととなります。前回「サイドマウント・ダイビングの始め方(器材コンフィグレーション編)」で器材の設定は一応済んでいますので、これらの器材を装着していよいよ実際のダイビングとなります。
バックマウントでは十分な経験があっても、サイドマウントとなると勝手が違います。テクニカル・ダイビングへの足掛かりとなる初級テクニックは10種類です。

各テクニックの詳細を解説していきたいと思います。

(「器材コンフィグレーション編」はこちら)

サイドマウント・ダイビングの始め方(器材コンフィグレーション編)-詳細解説!
前回の記事で購入する器材の説明をしましたが、今回はそれをどのように組み立てるか、ということです。ただ買ってくればそのまま使えるということではなく、いろいろ手作り感満載かつ繊細さが必要な作業になります。新規のコンフィグレーション作業は丸一日の作業でした。

サイドマウント・ダイビング スキルリスト(初級)

1.list-126

サイドマウントで必要となるスキルはいろいろありますが、サイドマウント初心者が学ぶべきスキルは以下の10種類になります。(※もちろん目的により追加されるスキルもあるようです)

【スキル一覧(10種類)】
1.ベーシック-6 スキル
①レギュレーター脱着
②レギュレーター交換(プライマリー⇔セカンダリー)
③レギュレーター・リカバリー(セカンダリーのみ)
④フリーフロー(プライマリー、Valve Drill)
⑤フリーフロー(セカンダリー、Valve Drill)
⑥残圧計チェック((プライマリー、セカンダリー))
2.エントリー・テクニック(DITCH AND DONN)
プライマリータンクの装着
セカンダリータンクの装着
3.エギジット・テクニック(DITCH AND DONN)
セカンダリータンクの取り外し
プライマリータンクの取り外し
4.スイム・キック(6種類)
①カエルキック(Frog kick)
②両足揃えたバタ足(Flutter kick(ALIGNED))
③両足揃えた交互バタ足(Flutter kick(MODIFIED)
④足首だけのカエルキック(frog kick(MODIFIED))
⑤ヘリコプター・ターン(右・左)
⑥後方キック(Backward kick)
5.マスク
①マスク・クリアー
②マスク脱着
③スペアマスク装着(from ポーチ)
6.バンジーの切断
予備のバンジーでタンクを再装着する
(予備のバンジーはポーチにある)
7.タンクのボルトスナップ破損
予備のボルトスナップでタンクを再装着する
①破損ボルトスナップの穴を利用してタンク装着
②ゴムベルトを利用してタンク装着
8.エア切れ(S-Drill)
バディのエア切れ時の対応(S-Drill、STOW含む)
①プライマリー使用時
②セカンダリー使用時
※S-Drillの練習、ロングホースのSTOW
9.インフレーター・ボタン破損
中圧ホースを外し、同時にダンプバルブから空気を抜く
10.SMBデプロイメント
海中からのSMB打ち上げと回収

特にBasic-6のスキルは反射的にできるようになるまで練習する必要があるとのことです。
特に以下のスキルは気を付けたいですね。

1.ベーシック-6 スキル
2.エントリー・テクニック(DITCH AND DONN)
3.エギジット・テクニック
6.バンジーの切断
7.タンクのボルトスナップ破損
8.エア切れ(S-Drill)

これらは、バックマウントには無いスキルか、かなり異なります。最初はちょっと面喰らいます。

スキルの詳細は別途「3.スキル詳細解説」のところで解説しますが、エントリー、エギジットを除く全てのスキルが「中性浮力」を保ちながら行うという点が、バックマウントとの最大の違いです。

これ、結構マジで難しいです。

器材準備と装着

2.equip-126

まずは器材の準備をします。
タンクには既にステンレスバンド、固定用のボルトスナップ、ホース固定用のゴムバンドが装着されているものとします。
※その日にタンクを借りるのなら、最初に装着が必要です

レギュレーターをタンクに装着する

レギュレーターをタンクに装着する手順は以下のようになります。

1.2本のタンクを、手前に空気口になるように並べる
2.プライマリーのレギュレーターをタンクにねじ込みセットする。このとき、ホースは首にまいてレギュレーターが地面につかないようにする。
3.タンクを開けて空気圧を確認する(もちろんゲージは伏せる)
4.タンクを閉める。セカンドステージの空気は抜かない。
(※移動中に空気漏れがないことが確認できる。状況による)
5.ホースをゴムバンドにはさみ、レギュレーターはバンジーでタンクに固定する。

6.セカンダリーのレギュレーターをセットする。
(手順はプライマリーと同じ)
7.ホースを二重にまいてゴムバンドにはさみ、レギュレーターは別途のバンジーでタンクに固定する(バンジーはなくてもよいが、あったほうが便利)。

Reg-1
Reg-2

BCDの装着

BCDの装着は思いのほか大変です。装着手順は以下の手順になります。

1.BCD本体を着る
まず、BCDの内側をこちらに向けて、両腕を交差(左手下)してBCDの肩部分を持ち、半回転させながら左手側から装着します。これはダイコンが通常左手首に巻くので引っ掛からないようにするためとのこと。

2.インフレーター・ホースの掛け替え(左Dリング→右Dリング)
インフレーター・ホースを右肩のDリングに上からかけます。(注:ダイビング中に外さないものは上から、外したりかけ直したりするものは下からDリングにかけるのが原則)

3.股の間から帯を出す
お尻の金具を引っ張りBCDを押し下げ、股の間から帯を出します。

4.ブラダー留めのバンジーをセット
背中右のバンジー(ブラダー留め)のボルトスナップを引っ張り、股の間から出した帯の中を通して、背中左からのバンジーに引っ掛けて止めます。

5.ベルトを締める
右側のベルトを股から通した帯の中を通し、左側のベルトの金具の中を通して締め上げます。金具は股の帯の中に隠れるようにし、さらにグイグイ締め上げて、余ったベルトは右側の腰のDリングとゴムの間を通してブルブラしないようにします。

6.全体を調整する
BCD全体が体にフィットしているか、Dリングの位置が偏っていないか、などを確認します。
私の場合、あっちこっちたくさん調整がはいりました。やってもらっているの立っていただけですが。。。

7.BCDに空気を入れる
BCDには必ず空気を入れておきます。まだタンクと繋がっていないので、口で空気を入れることになります。入れておかないと当然海に沈みます。。。

マスクとフィンを持ったらいよいよエントリーです。

①BCD本体(これを着る)
BCD-1jpg

②インフレーター・ホースの掛け替え(左Dリング→右Dリング)
BCD-2

③股の間から帯(ハーネス)を出して、ブラダー留めのバンジーを通す ※結構難儀する
BCD-3

④ブラダー留めのバンジーをセットする。
BCD-4

⑤ベルトを締める。余ったベルトは右腰のDリングを通して邪魔にならないようにする
BCD-5

詳細スキル解説

エントリー、エギジットは慣れないと難しいです。
今回の前提としては、足がつかない海で岸からタンクをもらう場合を想定します。
(エントリーにはいろいろなパターンがあるようです。低いボートから全て装着してバックロールでエントリーするのが最も簡単。)
なお、水中での器材の脱着を”DITCH AND DONN”と言うようです。

エントリー


 ※当動画は一人でのEntry方法の練習です(タンク圧 P/Sとも150bar)
 一般には、海中から陸上(またはボート)の補助者からタンクを受け取ります

<<プライマリー・タンクの装着>>

1.海に入って反り気味になって海中に浮く。
※空気が背中側にあるので普通には立てない。

2.補助者からプライマリー・タンクをもらう。
このとき、左手薬指をボルトスナップのリングに入れて、右手でタンク上部を支える。

3.左手でボルトスナップを腰の後ろ側Dリングに装着する

4.タンクが開いていることを確認する(左手で向こう側にコック回す)

5.レギュレーターを引出して首に巻き咥え、バンジーを首に巻く(呼吸はレギュレーターを使う)。

6.中圧ホースをインフレーター・ホースに接続する

7.タンク止めのバンジーでタンクをセットする(完了)
※バンジーは背中左上部から引出し、左からダンクの前を通して引っ掛ける。

<<セカンダリー・タンクの装着>>

8.補助者からセカンダリー・タンクをもらう。
このとき、右手薬指をボルトスナップのリングに入れて、左手でタンク上部を支える。
→タンクをもらったら、海中にうつ伏せになってOK。既にタンクの空気を吸っているため。

9.右手でボルトスナップを腰の後ろ側Dリングに装着する

10.タンクが開いていることを確認する(右手でこちら側にコック回す)

11.まず、タンク止めのバンジーでタンクをセットする
※バンジーは背中右上部から力いっぱい引出し、右側からダンクの前を通して引っ掛ける。左のタンクが既に留まっているので、バンジーはかなりキツイ。

12.ホースを延ばしてレギュレーターを取り出し(ひと回しだけ延ばす)、首に巻く

13.右胸のDリングにレギュレーターを留める

エギジット


 ※当動画は一人でのExit方法の練習です(タンク圧 P/Sとも150bar)
 一般には、海中から陸上(またはボート)の補助者へタンクを渡します

エギジットのほうが難しいです。なぜなら、タンクの空気が少ないのでタンクが浮きます。中性浮力を保ちながら安定した操作をするのはなかなか難しいものです。
特にセカンダリーのレギュレーターのホースをタンクのゴムバンドに入れ込むには最初は練習が必要かと思います。

<<セカンダリー・タンクの脱着>>

1.プライマリーのレギュレーターを使っていることを確認する。セカンダリーならプライマリーに変更する。

2.水中にてセカンダリー・タンクのバンジーを外す

3.セカンダリーのレギュレーターのホースをタンクのゴムバンドに入れ込む(外側に巻いているホースの内側に巻くようにする。)※海中で中性浮力をとりながらの作業は非常に難しい。

4.セカンダリー・タンクをDリングから外す

5.ダンクのハンドル部分を持ち、タンクの底を前にして泳ぐ
(Gunn style?)

6.タンクのハンドル部分を上にして補助者にタンクを渡す

<<プライマリー・タンクの脱着>>

7.水中にて中圧ホースをインフレーター・ホースからはずす

8.首のバンジーをはずし、レギュレーター・ホースを首からはずす(咥えたまま)

9.プライマリー・タンクのバンジーを外す

10.プライマリー・タンクのDリングを外す

11.レギュレーターを口から外し、タンクのハンドル部分を上にして補助者にタンクを渡す。
レギュレーターがだらんとするので、補助者に気を付けるよう注意する。
※余裕があれば、ホースをゴムバンドにセットして渡す(波もあるし難しい。。。)。

ベーシック-6 スキル

ベーシック-6 スキルはそれほど難しくはありませんが、2つのレギュレーターを無意識に操作できるようにならないとダメだそうです。
具体的に解説していきます。
【動画はこちら】※今後、良い動画に変更します(まだ下手)


①レギュレーター脱着

レギュレーターを外してまた着けるだけです。非常に簡単です。カッコよくできないとダメですね。

②レギュレーター交換(プライマリー⇔セカンダリー)

レギュレーターをプライマリーとセカンダリー間で交換するスキルです(2回実施する)。
ポイントは、今どちらのレギュレーターを咥えているかを瞬時に判断すること。90度のコネクターがあるのがプライマリーです。最初にコネクター部分を触って判断します。

③レギュレーター・リカバリー(セカンダリーのみ)

レギュレーター・リカバリーはセカンダリーのときのみ発生します、プライマリーは外れることはありません。
ポイントは、バックマウントのときと同じように右肩を下げて大きく右手でレギュレーターを探って、最後は首筋に沿ってセカンダリーのレギュレーターを見つけます。

④フリーフロー(プライマリー、Valve Drill)

フリーフローの場合も、まずどちらのレギュレーターかを判断します。
プライマリーなら左のタンクのバルブを閉じながら、右手でセカンダリーのレギュレーターのフックを外して準備します。バルブが閉じたら、レギュレーターをセカンダリーに交換します。
(バルブを閉じる操作がValve Drill)

⑤フリーフロー(セカンダリー、Valve Drill)

同様に、セカンダリーの場合は右のタンクのバルブを閉じながら、左手でプライマリーのレギュレーターの準備します。バルブが閉じたら、レギュレーターをプライマリーに交換します。
(バルブを閉じる操作がValve Drill)

⑥残圧計チェック(プライマリー、セカンダリー)

残圧系チェックは難しくありません。
タンクを下からなぞって残圧系を探します、ホースは短いですが。ぐにゃッと曲げて残圧を確認します。
最後に片手で残圧の数値をバディーに知らせます。

【ハンドシグナル:数字の表現】

サイドマウントはケーブ(洞窟)ダイビングを目的とする人も多いので、数字をハンドシグナルで表現する場合片手で表現します。
・0,1~5:通常と同じ
・6~9  :手を横にして表現する

スイム・キック(6種類)

スイム・キックはヘリコプター・ターンと後方キックが肝です。
サイドマウントをやるような人はかなりのベテランなので通常のスイム・キックは問題ないでしょう。
【動画はこちら】※⑤、⑥は下の別動画を見てください

①カエルキック(Frog kick)

通常のカエルキックです。問題ないです。

②両足揃えたバタ足(Flutter kick(ALIGNED))

両足を揃えて足首で上下にキックします。特に問題なし。

③両足揃えた交互バタ足(Flutter kick(MODIFIED)

両足を固定して足首で交互に上下にキックします。

④足首だけのカエルキック(frog kick(MODIFIED))

両足を固定して足首でカエルキックします。

⑤ヘリコプター・ターン(右・左)


中性浮力をとりながら、回転軸を固定して右側、左側にそれぞれ一回転します。
このとき完璧な中性浮力が要求され、頭や膝が下がったり、軸がブレたりしないことが求められます。
完璧にするのはなかなか難しいものです。

⑥後方キック(Backward kick)


これが最難関です。最初私は全くできませんでした。
特に、頭が下がったり、腰が浮いてどんどん上に行ってしまうなどの失敗を重ね、カッコは悪いがどうにか後ろに進めるようになりました。
YouTube(外人の映像しかない)などを参考にベッドの上で練習し、実際にプールや海で何回も練習することが必要かと思います。

マスク

マスククリア―は簡単です。バックマウントとさほど変わりません。違うのはスペアマスクをポーチから取り出して使うのと、ずっと中性浮力を保ち上下動なしでデモンストレーションすることです。

①マスク・クリアー

マスクに水を半分入れて、クリアします。

②マスク脱着


マスクを脱いで、再度装着して水をクリアします。

③スペアマスク装着(from ポーチ)


マスクを脱いで腕にかけ、尻にあるポーチを取って胸のDリングに掛け、スペアのマスクを取り出し装着、水のクリアをします。脱いだマスクをポーチに入れ、ポーチを元に戻して終わりです。

バンジーの切断


バンジーの切断時対応のスキルは全く新しいスキルです。

タンクのバンジーが切れたことを想定するので、最初にタンクのバンジーを両方はずします(タンクがブラブラする)。
この状態から、ポーチにある予備のバンジーを取り出し、背中の裏側を通して両肩のDリングに掛け、左右のタンクにそれぞれバンジーをかけて固定しなおします。

言葉で書くと簡単ですが、予備のバンジーが固かったりすると、なかなかバンジーがタンクに掛からず難儀します。

なお、これらの対応は全て中性浮力をとり、上下動ナシで行わなければなりません(かなり難しいですが)。
これは、上下動すると岩に当たる危険があるケーブダイビングを想定しているためです。

タンクのボルトスナップ破損


タンクのボルトスナップ破損のスキルも全く新しいスキルです。

タンクのボルトスナップが破損した場合を想定するので、最初にタンクのボルトスナップを腰のDリングから外します。
このスキルは以下の2パターンあります。

①破損したボルトスナップの残ったリングを利用してタンク装着する
(ボルトスナップのフックが破損した場合)

最初は、ボルトスナップのフックが破損した場合(Dリングとの接続フックが破損)です。この場合、ボルトスナップの大きなリングは残っているので、このリングを利用します。

まず、ポーチを外して予備のボルトスナップ(両フック付き)を取り出し、タンクのボルトスナップのリングを引っ掛け、次に腰のDリングを引っ掛けて終了です。

気をつけないといけないのは、Dリングの抑えがなくなっているので、タンクが外側へ回転してバンジーがはずれる可能性があることです。タンクを押さえつつフックを掛けるのはスキルが要ります。
当然、上下動なしの中性浮力を保つ必要があります。

②ゴムベルトを利用してタンク装着
(ボルトスナップのリングが破損した場合)

次は、ボルトスナップのリングが破損した場合です。この場合、タンク側のボルトスナップに引っ掛ける部分は無いので、ホースを留めるためのゴムバンドを利用します。

ゴムバンドの場合はまず掛けやすい所にかけてから、位置をずらせばOKです。
なお、セカンダリーのタンクならゴムが下の位置ですが、プライマリーのタンクはゴムバンドを下にずらす必要があります。
当然、上下動なしの中性浮力を保つ必要があります。

エア切れ(S-Drill)and STOW


バディのエア切れ時の対応です(Safety-Drill、ホースのSTOW含む)。
バックマウントのときと同様に、エア切れのサインを見たら、すかさず自分のレギュレーターを差し出します。
ただ、どちらのレギュレーターを使用していても、必ずセカンダリーのレギュレーターを相手に差し出します。
パターンとしては以下の2種類あります。

①プライマリー使用時

自分の使用しているレギュレーターをまず確認(コネクタ部を触る)。プライマリーを確認したら、セカンダリーのレギュレーターのフックをはずして相手に差し出す。

②セカンダリー使用時

自分の使用しているレギュレーターをまず確認(コネクタ部を触る)。セカンダリーを確認したら、セカンダリーのレギュレーターを相手に差し出すと同時に、プライマリー・レギュレーターを咥える。

※S-Drill

相手にセカンダリーのレギュレーターをあげたら、ホースを全て引出して一緒に泳ぎます(Safety Drill)。
S-Drillの泳ぎ方は2種類あります。

①並行して泳ぐ

必ず空気の供給側がコントロールして、どちらの方向に泳ぐか指示します。
右に行く場合、供給者が右側になるので、左手で相手の肘を掴んでコントロールします。
前に押す:ススメ
握る:止まれ

左に進む始める場合はホースが長いので丸めます。右手で相手の肘を掴みコントロールします。

②縦に泳ぐ

洞窟などで細くなった場合は、相手を前に行かせて縦に泳ぎます(ホースの長さは身長分以上あります)。相手の太もも下部を持ち、コントロールします。

※ロングホースのSTOW(しまうこと)

ロングホースを全て出している状態ですから最後はしまわないといけません。
(実際の緊急時にはエア切れの人に空気をあげているので、ダイビングは中止してそのまま帰還します。でも最後はエグジットしなければなりませんので、そのときホースはSTOWすることになります。まあ、その練習というか、いずれにしろこの状態にはしておけないので。。。)
これは慣れ以外なにものでもないようです。
私は最初は全然できずにつかれてしまって大変でしたが、まあどうにかできるようになりました。インストラクターが綺麗にホースをしまわないと怒るので大変でした。。。
こつは以下のような感じかと思います。ゴムバンドがキツイと結構難しいです。
①ホースをしまうセカンダリーのレギュレーターは口で咥える(フックすると巻き込んだりしてやりにくい)
②タンクのバンジーははずして、ゆっくりSTOWを行う(映像のとおり)
③ホースを丸める方向は内側になるようにする(U字が左側に巻くように→やればわかります)

インフレーター・ボタン破損


バックマウントの場合と同じです。
中圧ホースを外し、同時にダンプバルブから空気を抜く操作になります。左手で中圧ホースをうまく外せるか、右手でダンプバルブの紐が的確に引けるかが問われます。
ちょっと違うのは、ダンプバルブが完全な右端にあるので、体を左にねじるように空気を排出するのがコツです。

それほど難しいスキルではありません。

SMBデプロイメント(海中からのSMB打ち上げと回収)

※デモンストレーションがあまり上手ではありませんが、ご容赦!


言わずと知れた、SMBの海中からの打ち上げです。

ポーチに入ったSMBを取り出し、口で空気を入れて打ち上げ、SMBを持ったまま少し泳ぎます。
その後SMBを水中で回収し、空気を排出して元の状態にセットしなおしてポーチに戻します。

手際よくできるかが問われます。また、回収時に浮力が大きくなりますので、かなり前傾にならないと浮いてしまいます。
中性浮力を保ったままきれいにできるかがポイントです。

<その他、スキルにかかる補足>

「サイドマウント・ダイビング初心者のためのスキルTips」として纏めましたので、よかったら参考にしてください。
今後充実させていきたいと思います。間違いや補足があれがご指摘いただきたいです。

サイドマウント・ダイビング初心者のためのスキルTips集
サイドマウント・ダイビングは通常のバックマウントダイビングと違っていろいろな新しい知識が必要となります。しかし、どこを探しても適当な情報があまりなく、インストラクターや先輩の助言が頼りです。そこで、初心者向けにスキルTipsを纏めてみました。

まとめ

4.mato-126

さて皆さん、いかがでしたか?
「サイドマウント・ダイビングの始め方(初級テクニカル編-完全解説)」をご紹介しました。これからサイドマウント・ダイビングを始めようというダイバーの参考になったでしょうか。

当記事を書こうと思ったのは、サイドマウントの講習を受けたときにサイドマウントの技術記事を検索したのですが、日本語がゼロ、英語もなおざりな記事が多くて困ったことがきっかけです。ある意味、私自身のスキルノート的なものになっています。

そのため、記事中に間違い等あればご指摘いただけると幸いです。すぐに訂正しより良いものにしたいと思います。

また、できればスキルの映像も合わせて入れ込みたいと準備しています。外人のYouTube映像は一部のスキルしかカバーしていないのが実情です。

私がサイドマウントの講習を受けたショップは以下となります。
オーナーのハイミーが直接指導します。フィリピン人ですが日本語は驚くほどほど堪能。気さくですが、Cave(洞窟)ダイビングのスペシャリストなので、テック系への拘りがあるようです。ご興味のあるかたはどうぞお問合せ下さい。

・Cebu:ハイミー・ダイブセンター(ショップのサイトへ飛びます)

最後に、ご紹介した各スキルの英語での名称を記載しておきます。
サイドマウント・ダイビングの解説はほとんどが英語です。また、YouTubeなども全て英語になりますので、英語のスキル名称がわからないと困ることが多いです。ご参考になれば幸いです。

では、明るく、楽しく、前向きに、毎日をお過ごしください。

(ご参考)

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* English skills name *
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・Sidemount diving skills list

※keep neutral buoyancy

・BASIC-6 skills
①Regulator remove and replace
②Regulator exchange(P⇔S)
③Regulator recovery
④Free-flow(Primary–Valve Drill)
⑤Free-flow(Secondary-Valve Drill)
⑥Pressure Gage check(P,S)

・Entry technics(DITCH AND DONN)
Primary tank setting
Secondary tank setting

・Exit technics
Secondary tank removal
Primary tank removal

・Swim kick(6 kinds)
Frog kick(FULL)
Flutter kick(ALIGNED)
Flutter kick(MODIFIED)
Small frog kick(MODIFIED)
Helicopter turn(right, left)
Backward kick

・Mask
Mask clear
Mask remove & replace
Mask change
(spare mask from pouch)

・Broken Bungee
Use spare bungee and resetting
(spare bungee from pouch)

・Broken Boltsnap
Hook on a broken bolt snap
Hook on a rubber band
(spare boltsnap from pouch)

・S-drill (Air completion)
Give my regulator and swim
Take buddy’s regulator and swim
Secondary regulator re-setup (STOW)

・Broken inflator button
Remove inflator hose while releasing
air from the dump valve at the back.
Always keep neutral buoyancy.

・SMB deployment
SMB launch and retrieval
and always keep neutral buoyancy

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