ネットで検索すると、「定年前に絶対にやっておくべきxxxxxx」などという記事で溢れかえっています。内容といえば、老後資金の計画をしろ、家族との新たな関係を準備しろ、やりたいことを見つけろ、新しい人脈や第二のキャリアを作れ、などなど。
確かに言ってることはごもっともですが、そんなことは分かってます!長年勤めた会社を去るにあたって本当にやっておきたい事とは何ですか?そこが知りたいと思いませんか?
記事のライターを見ると、机の上だけで考えていて実際に定年を経験してなさそうな人達ばかりのようで、実際しらけちゃいますよね。
ついては、実際定年も含め、2回会社を去ることを経験している、私こと”明るい隠遁生活”が、知人等の情報も参考に、「定年退職前に本当にやっておきたいこと」を解説していきたいと思います。
・結論
「定年退職前に本当にやっておきたいこと」とは、会社を離れたらできなくなることをやっておく、ということ。退職後でもできることは、別に後でやればよい。
はじめに
定年退職でできなくなることとは?
定年退職したことの無い人は実感として分からないと思いますが、具体的には以下の3点です。
・会社関係の人と会わなくなる・連絡がなくなる
・会社内の情報にアクセスできなくなる
・会社という拠点に行かなくなる
つまり、これらに関する事柄は、退職後ではどうにもできなくなる可能性が高い、ということです。別に老後資金の計画や妻との関係など、退職後だってどうにでもなります。お金が減る訳じゃないでしょ。
大切なのは、退職後できなくなることに対処しておく、ということ。
退職後できなくなること3点
会社関係の人と合わなくなる・連絡しなくなる
会社を辞めると、会社からの連絡は全くなくなります。会社のメールアドレスがなくなるので、全社や部門の一般連絡も、同僚・上司・部下のメールも一切なし。懇意だった取引先からも一切連絡が無くなります。
これはもう劇的というか、寂しいというか何とも言えません。用事もないのにこちらから連絡することもできませんし。唯一来る連絡は、退職がらみの事務手続きくらいでしょうか。
会社の情報にアクセスできなくなる
同時に会社の情報にアクセスできなくなります。
会社内部の技術情報や生の営業情報、組織情報、社内手続標準、自分が作った提案書、お客様への報告書、などなど、一切アクセスできなくなります。もちろん同僚などの部門名やメール・アドレスも見れません。
会社という拠点に行かなくなる
退職するということは、会社に行かなくなるということ。
つまり、電車に乗って会社のある駅までもう行かないということです。これも劇的です。会社のあるところに用事なんか滅多にあるもんじゃありません。逆に用もないのに会社の付近をうろついて、知り合いに合うのも罰が悪いですよね。
定年退職前に本当にやっておきたいこと
自分を深く知るための5選
定年退職はある意味、長年勤めた会社生活の総決算です。総決算は過去の会社生活を振り返り、深く自分を顧みることです。だから、自分の会社生活の総決算は会社にいる間でないとできないんです。ぜひ、これらのことを退職前に行われることをおすすめします。
知り合いリストの作成 (→退職の挨拶メールのためにも必要)
まず、会社関係の知り合いリスト(メールアドレス・リスト+会社・部署名、役職、ほか)を作る事が必要です。
自分の会社メールアドレスが無くなる、ということは実は大変なことなんです。自分のメルアドには必要な連絡先が全て記憶されています。普段は意識することなく、これらを使っているのです。
一旦メルアドが無くなったら、これら一切の人達に連絡することができなくなります。取引先であれば名刺からリストを作成することもできますが(作業は大変)、同僚の名刺なんか普通貰ってないですしね。
このメールリスト自体は、退職の挨拶をメールするときに、bccに自分の個人アドレスを入れておけば、アドレス自体は簡単に記録できます。でも、あとで役立つようにするためには、ちゃんとリスト化する必要があるでしょう。まあ、使わないとすぐに陳腐化するんですけど。
※Slackなどのチャット・ツールも同じ。退職でUserIDが削除されます。
会社関係者の私的な連絡先・連絡網作成
会社や取引先などで仲の良い人であれば、FacebookやLINEの交換をしておくことが、退職以降の関係を保つために重要です。オフィシャルなメールではなかなか聞けないことも、チャットであれば気楽に聞けます。
また、会社の同僚などの仲良しでグループ・チャット(例えばLINEで)を作っておくと、もっと気楽に連絡ができて非常に有効です。
退職すると、なかなか個人的に連絡を取るのがおっくう、というか憚られくることが多いです。そのうち疎遠になってしまうということにもなりかねません。その点グループ・チャットであれば敷居も低いくお勧めです。
自分のノウハウの整理
会社の情報にアクセスできなくなるということは、自分が会社に蓄積した情報・ノウハウにもアクセスできなくなるということです。
自分のローカル(紙、PC)にどれだけ自分のノウハウが整理されていますか?再就職したりフリーランスで仕事をするとき、それらをうまく生かすことができるでしょうか?
もちろん、会社の機密情報や情報資産をダウンロードして持ち去るのは違法ですし、記録にも残るので後々問題になります。でも、一般情報のレベルを自分なりに整理しておくことには問題ないはずです。
例えば、「提案書の雛形」。目次をゼロから作るのは大変です。雛形・サンプルがあればクオリティは劇的に上がります。
そういう意味でも、会社の情報にアクセスできるうちに自分のノウハウを整理しておくことは大変重要なことです。
履歴書・業務経歴書の作成
会社に保存されている自分の人事情報・職歴記録なくして、正確な自分の業務経歴書が作成できますか?また、まだ会社にいれば、過去の仕事仲間やプロジェクト関係者に、過去の仕事の正確な情報を確認することができます。また、関係者に業務経歴書を見てもらうことで、新たな気づきがあるかもしれません。
こうすることで中身の濃い、説得力のある履歴書・業務経歴書が作成できるというものです。求職活動で非常に役立つこと間違いなし。
退職してから説得力のある履歴書・業務経歴書が作成できますか?
自分の得意分野の特定
退職後に再就職やフリーランスを考えている場合、自分の得意分野、戦える分野を把握し、得意技を推し進めることが重要でしょう。
「履歴書・業務経歴書の作成」を作成することで、案外自分の得意分野が見えてくるといいます。じっくり自分の過去を振り返ると何がうまく行って、何がうまく行かなかったのかが見えます。また、仕事でお互い苦労した同僚などの意見を聞くことで、本当の自分が見えてくるかも知れません。
このような機会は会社にいるうちでないと、なかなか出来ないのではないでしょうか。
事務的な手続き 5選
退職前に自分を深く顧みることは非常に有意義で、ある意味高尚なことでしょう。でも、退職に際しては現実的で、下世話な事柄も存在し、退職する前にしておくべきものも存在します。
学会・各種団体の整理(会社関係)
会社関係で入会していた学会や業界団体、その他の対外的なつきあいなどは、退職にあたり引継ぎをするか、個人的に整理するかが必要です。
法人で入会したものの、個人で活動を継続したい場合は別途手続きが必要でしょう。個人での継続が必要なければ、会社の同僚に引き継ぐか、退会することになります。
かつて、ある学会の私が所属していた分科会で、いきなり「定年退職になるので今日で退会します!」と宣言されたことがあり、ビックリしたことがあります。いやいや参加していたのかなぁ、とみんなで話したものです。
クレジットカードの整理
クレジットカードは今何枚持っていますか?
普通、4~5枚はお持ちではないでしょうか。定年後そんなに必要ですか?会費の高いゴールドカードは必要ですか?2~3枚程度に早めに整理したほうがよろしいかと。奥さんに会費無料のに変えて!と言われるかも。
また、問題は新しくクレジットカードを作成する場合です。例えば、会費の高いカードはやめ、会費無料のクレジットカードを新たに作成したいと考えた場合などです。実は退職後だと審査が通りにくくなることがあるというのは有名な話です。できれば、新規のカード作成は退職前に作ったほうがが無難でしょう。
健康保険任意継続
ご存じの通り、退職後いきなり国民健康保険にすると、前年の年収で算定されるためすごい金額の保険料になる場合があります。一般的には2年間の会社関係の健康保険の任意継続を選択する場合が多いです。
任意継続できる申込期間は限られるので、退職前にキチンと対応を検討しておくほうがよいでしょう。(通常、退職日から20歴日以内)
息子・娘の扶養家族者になる手もあります。
退職金の受取方法検討
退職金を一時金で受取るのか、年金で受取るのか選択できる場合があります。
一時金と有期年金の選択の場合は、一時金が有利ということが言われていますが、一時金でもらってすぐ使ってしまったら元も子もないですけど。自分の性格と合わせて選択すべきかもしれませんね。
飲み屋の整理
さて、最後は行きつけの飲み屋です。
たぶん、会社付近や通勤経路の途中にいくつもあることでしょう。退職後は会社に行くこともないので、わざわざ行きつけの飲み屋に行くのは大変です。また行ったところで、話が合わなくなってます。かつての同僚たちと遭遇するのも気恥ずかしいですね。
こういう飲み屋は会社の同窓会などで行くのが良いです。お店には定年退職前にご挨拶し、家の近所で新しい飲み屋を開拓しましょう。
(これからは昼飲みもOKですよ。)
まとめ
さて皆さん、いかがでしたか?
「定年退職前に本当にやっておきたいこと 10選」をご紹介しました。これから退職を迎える皆様の参考になったでしょうか。
まず、定年退職で何が変わるのかイメージすることが必要だと思います。
今まで何十年も勤めた会社に行かない、会社の人にも合わなくなることで、何が困るのか。。。
定年退職後は完全リタイヤして日がなTV三昧であれば不要ですが、何かしら次のステップをお考えなら、自分を見つめ直すタイミングとして非常に有益ではないでしょうか。。
最後に、定年後の働き方に関するサイトをご紹介して終わりにしたいと思います。ご参考になれば幸いです。
【内部リンク】【決定版】60歳定年後の働き方6パターンを徹底解説
【内部リンク】【決定版】65歳完全定年後の働き方を考える
では、明るく、楽しく、前向きに、毎日をお過ごしください
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