定年後、年金だけで海外移住はアリか?

旅行・移住

・お悩み

定年退職したが、思ったより年金少なくて不安だ。
貯金もあまりないので、これからの生活を心配している。今のところアルバイトで足りない分を稼いでどうにかなっている。いつまでも働けるわけではないので今後を思案中だ。
でも、海外に行けば安く生活できると聞いた。実際のところどうなんだろう?

おっしゃることはわかります。
確かに生活費の安い国に行けば、楽に生活できますよね。
でも移住して長期に生活するというのは、なかなか難しそうです。
一緒に考えて行きましょう。

結論

1.conclu-48

年金だけで海外移住することは可能です。

厚生年金+老齢基礎年金だけで海外生活は十分できますし、定年後の選択肢の一つとしてはアリだと思います。

ただし、安くて安全に生活できる国は限定されます。
また、日本にいるときと同じ生活水準を維持しようとすると、どこの国に行っても日本より生活費は高くつきます。現時点で年金だけでリッチな海外生活を満喫するのは基本的に無理です。

現地の人と同じような生活水準で生活できれば、非常に安く生活できますが、ほとんどの日本人には難しいと思います。特にシニアでは、食事に関しての許容範囲が狭くなるので、現地の食事だけでは我慢できないでしょう。

また、海外で暮らすということは、お金の問題だけでなく、医療や治安、生活のしやすさも考える必要があり、単純な話ではありません。

結論としては、日本より安く生活はできるが、生活の質を現地にある程度合わせる必要がある、ということでしょうか。

なお、日本で引きこもり的な生活をしている人であれば、海外でも同じようなスタイルで生活することは十分可能でしょう。
※いわゆる「外こもり」のスタイル。

現実の生活費はどうなのか?

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生活費が安い国とは?

生活費が安い国は、いわゆる発展途上国になります。
先進国は物価が高い(特に最近の欧米はかなり高い)ため、対象になりません。また、居住ビザや治安の関係から、アフリカ、中南米、中東は除かれます。ハワイとかニュージーランドが移住の人気という記事もありますが、これは三か月以内のロングステイですね。
すると、おのずとアジアが対象となります。ビザ等のことも考えれば、東南アジアが現実的な選択肢となります。

おススメの移住先はこちらをご参照ください。
【厳選!】シニアにおすすめ海外移住先5か国

現実にはどれくらいかかる?

現在フィリピンのセブ市に1人で住んでいる私の生活費は、月約8万5千円です。詳細は別記事(リンクを添付)をご参照ください。生活状況は以下の通りです。

・上の下クラスのコンドミニアム
(プール、ジム付き、セキュリティは万全なワンルーム)
・朝は自炊、昼は外食、夜は自炊・外食が半々くらい
・週に1~2回程度日本料理を食べる
・コロナのため遊びはほとんどしてない
・特別な出費はない(値の張る服や雑貨など)

たぶん、生活費が高めのバンコクでは10万円程度で同程度の生活ができると思います。1人暮らしの最低限の目安は10万円程度と考えればほぼ間違いはないと思います。
あとはどれだけ日本食を食べて遊ぶか、ということですね。生活のスタイルの違いで幾らでもお金は出ていきます。

ご夫婦の場合はワンルームというわけにはいかないので、住居費や食事費等がが増えます。倍まではいかないでしょうが、15~18万円くらいは考えたほうがよいと思います。

でも、ご夫婦の年金を合わせれば、十分で生活可能な範囲だと思います。

※ご参考
【必見!】 定年後の海外移住 生活費のリアル

生活費以外で見ておくべき費用

生活費以外でも見ておくべき費用はたくさんあります。ただし、電化製品や食器類などはコンドミニアムにほとんど備え付けになっているので新規購入は不要です。

・ビザ代(初期費用、更新代)
・日本への帰国費用
・現地で遊興費(近場への旅行、など)
・生活雑貨品の購入
など

気を付けたいのは、英語や現地語が使えないと、何事にも高くつくということです。ある意味「ボッタクリ」価格になるので費用がかさみます。
もちろんお金に余裕のある人は、チップも弾んでたくさんお金を使うことが良いと思いますが、節約をしたい方は何事も自分主体で行うことで無駄を費用をなくことが出来ます。

海外生活の課題は?

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海外生活をする上での課題はお金やそれ以外にもたくさんあります。主要な事柄は以下でしょう。

生活費は決して安くない

まず、生活費は決して安くない、ということです。
開発途上国と言われる物価の安い国でも、日本と同じ生活を求めたら、とんでもなく生活費がかかります。たぶん、日本で生活する方が安いです。
現地の物価が安いというのは、現地の生活水準で生活すれば、ということです。日本とは比べ物にならない低い水準になります。コスパでいったら、たぶん日本が世界一安いと思います。最近外国人が日本にたくさん来るのは、日本がコスパですぐれているからでしょう。日本が魅力的ということで訪問してくれている方々はほんの一部だと思います。

結局、現地の食事など安いものをなるべく利用することが安く上げるこつだと思います。

目的がないとすぐ飽きる(非日常の日常化)

海外生活で何をやるか、または何もしないで引こもるのか、明確にしておかないと、すぐに生活に飽きてしまいます。
最初は物珍しさもあって生活が楽しいのですが、一ヶ月もすると日常になってしまいます。

2~3ヵ月のロングステイならまだしも、何年も生活しようとすると、受け身ではなく能動的にできることを何か持つことが必要でしょう。
例えば、現地の情報をブログで発信するとか、現地語を勉強するとか、現地の観光地や穴場を制覇する、などでしょうか。
出来るだけ長く継続でできるものが良いと思われます。

いずれにしろ、海外でやりたいことがあれば、仲間や知り合いも増えるので生活が楽しくなるでしょう。

何事も日本のようにはいかない

日本と現地の文化・習慣の違いは大きいです。
日本で当り前のことが、現地ではできていません。約束の時間は守らない(ビジネスでも)、お金の計算は間違える、約束事はほったらかし、日本のように物事は進みません。
もちろん、高いお金を払えば日本のようにやってもらうことは可能ですが、それでは安く生活できません。また、そうなるとボッタクられ三昧になってしまします。

海外で生活費を安く上げるためには、自分から能動的に動けなければなりません。面倒でも不合理なことでも耐えることが異国で安く生活するための知恵になります。

病気や怪我をしたときの問題

シニアにとっては病気や怪我は重大な問題です。
移住先で日本と同じような医療を受けられるかは重大な問題です。
バンコクなど一部の都市では日本と同等以上の医療を受けられますが、費用はかなり高額になります。海外傷害保険に加入しておくのが必須となります(長期では保険料も高額ですが)。また、持病等がある方は継続的な治療が受けられるか、事前に確認しておく必要があるでしょう。

なお、現在海外には日本人を受け入れる老人ホームはほとんどないため、介護が必要になった場合は帰国を余儀なくされることになります。
※フィリピンのケソン市に日本人を受け入れてくれる施設があるらしい

結局どうなの?

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結論で申し上げた通り、生活費を安くするために海外生活を選ぶということは、リタイヤ後生活の一つの選択肢になりえると思います。(ここでは、ロングステイは除きます。ロングステイは逆に高くつきます)
ただ、長期間の海外生活には向き不向きがあります。以下の特徴のを備えているか、今一度考えてみる必要があるでしょう。

・タフで考え方が柔軟な人

何事にもタフでそれでいて考え方が柔軟な人が向いているでしょう。
安く上げるためには、何事も能動的に自分から動かないといけません。また、いちいち日本と違うと腹を立ててもどうにもなりません。
要は、何があっても腹を立てずに冷静に物事を進めて行けることが肝心かと(これが難しいのですが。。。)。

・オタク(引きこもり)

オタクの人は海外生活に結構向いていると思います。
日本にいても海外にいてもやることは同じですし(たぶんゲームとか)、外部とは最低限しか接触しないので、これも海外でも日本でも変わりません。
外でお金も使わないので、海外生活にうってつけでしょう。

・とにかく元気で健康な人

やはり海外生活をするには、元気で健康なことが必須でしょう。持病を持っての海外生活では費用もかさみますし、現実的ではありません。
現地の食事でも問題なく食べられるということが、とにかく安く上げるための必要事項です。和食も取り入れて自炊ができればさらに良いですね。

まとめ

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さて皆さん、いかがでしたか?
「定年後、年金だけで海外移住はアリか?」をご紹介しました。これから海外移住を検討される上での参考になったでしょうか。

海外移住を安く上げるためには、何事も自分で動くことが必要です。例えば、エージェントに海外移住の提案をもらったら、当然高くつきます。とても年金だけで海外移住をしようという方はやるべきではないでしょう。
※予算を聞いたらエージェントに相手にされないかも知れませんが。

安く海外移住を実現させるためには、自分で情報を集めて、実際に現地に行ってみる、そして最初は2~3ヵ月様子を見て、大丈夫そうならとりあえず1年間、という感じで徐々に慣らしていくのが王道でしょう。
長期の移住を考えるなら、それなりの準備が必要になります。

最後に、海外移住に関する書籍をご紹介して終わりにしたいと思います。少し古いのと、全般的な海外移住の本なので、ご参考程度です。もしご興味がありましたらどうぞ。

【ご参考】「日本を脱出する本 短期の海外移住から永住まで」

では、明るく、楽しく、前向きに、毎日をお過ごしください。

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