・はじめに
最近、定年後に海外で引きこもるシニアが後を絶たないということを聞きます(いわゆる「外こもり」)。
実際、マニラ、セブと住んでみてかなりの数のシニアが居住しているのを目の当たりにしています。多くは男性のおひとり様、たまにご夫婦というのがパターン。
かくいう私も外こもりのはしくれにいるわけですが。。。
しかし、どうしてシニアは海外に引きこもるのでしょうか。実は海外に引きこもることには、たくさんのメリットがあるのです。日本でうだうだと孤独老人で過ごすより、いっそ海外での引きこもりが潔いといえるでしょう。
あなたも定年後に「外こもり」はどうですか?
※コロナ禍でも「引きこもり」にはあまり関係ないです。
シニアの外こもりとは?
外こもりとは?
外こもりとは、「海外+引きこもり」の造語と言われています。つまり、海外で引きこもりをする人です。
元々、「アルバイトなど日本で短期間集中的に稼いだ金を持って物価の安い国に行き、そこで長期滞在して生活するスタイル」をいいます。
若者の脱日本の風潮の一環として十数年前から定着してきたものです。ただ、外こもり先のアジア各国ともビザ要件を厳しくするなど、若者の外こもりはだんだん目立たなくなってきています。
逆に最近では、シニア世代が年金生活を生活費の安い海外で過ごす例が増えてきています。リタイヤメントビザの充実とともに、その数は増えてきていると言えるでしょう。
ただ、若者の外こもりとは違い、その実態はよくわかっていません。
何故シニアが外こもるのか?
普通、海外に住んでみたいといった場合、海外生活へのあこがれ、日本の冬や花粉症を避けるため、などということなどがあるかと思います。
我々が若い時はなかなか海外に長期滞在するなどできなかったので、機会があれば長期滞在したいという希望を持つ方も多いのではないかと思います。
ですが、男おひとり様の外こもりの場合は少し事情が違います。たぶん以下の理由が主ではないかと推察します。
1.お金がない(年金が少ない)
2.日本でのしがらみや孤独からの逃避
3.女性がらみ
4.日本にいられない事情がある
などなど。
もちろん全ての人がこのような理由からというわけではないと思いますが、表向きの理由とは別にこのようなネガティブな理由が必ずあると推察しています。
私の場合はというと、2番に近いかなと思います。
はからずもマニラで失職し、おめおめと日本に帰れるか、という気持ちと、日本に帰っても遊ぶ友人がほとんどいない(65歳までは子会社役員などで働いている友人が多い)、という事情があったからです。
それならセブでちょっと時間を潰すか・・・という感覚でしょうか。
もちろん、外こもりの理由は人それぞれだと思います。わざわざ言葉も通じない外国で暮らすなんて、それなりの理由があるはずです。
シニアの外こもりのメリット、デメリット
外こもりにはそれなりのメリット、デメリットがあります。でも、不自由な外国で暮らすからには、やはり多くのメリットがあるといえるでしょう。
具体的に見ていきたいと思います。
外こもりのメリット
どこに外こもりするかで、メリットも違ってきますが、一般的には以下のようなことだと思います。
・温和な気候、寒い冬や花粉症がない(南国の場合)
普通の海外暮らしに求めるメリットですね。
常夏の気候なら体は楽ですし、服も半袖、短パンで過ごせます。持物が少なくて住むのもメリットです。
・煩わしい付き合いから解放される
これは大きいです。私もセブ在住を理由に年賀状を止めました。飲み会にも誘われないし(オンライン飲み会はある)。必要な連絡はメールやSNSで十分です。
もちろんここは外国なので、一人でいても周りから何も言われません。
・年金が無税(特定の国)
租税条約を締結している国であれば、「租税条約に関する届出書」を提出することで、日本における課税は免除され、居住国での課税に変更になります。
既にご紹介している、「おすすめ移住先5か国」での年金への課税状況は以下の通りです。フィリピン、マレーシアは年金への課税ナシです!
(租税条約締結国)
・フィリピン:退職者ビザの取得者は年金への課税免除
・マレーシア:年金は非課税
・タイ :タイで課税される
・インドネシア:不明(調査中です。。。)
(租税条約非締結国)
・カンボジア:日本で課税される
・生活費が安い(少し疑問)
以前ほどではありませんが、現地の人と同じような生活をすれば激安で生活できます。
しかし、日本人、特に考え方の凝り固まったシニアが現地の人のような生活をするのはほぼ無理です。
生活費は日本とあまり変わらないというのが生活実感です。最近における日本のコスパはすごいと思います。
・若い女性と出会う機会が多い
特定の人、特定の国に該当することですが、シニアの男性が現地の若い女性と出会う機会がたくさんあります。
もちろん現地の女性はお金が目当てですが、相互の信頼を築いていくことも可能のようです。実際に結婚したり長期間一緒に暮らして問題ない実例もたくさんあります。
ただ、身ぐるみ剥がされて捨てられるシニアも後を絶たないということもよく聞きますが。。。
※どのようにみぐるみ剥がされて捨てられたか、生々しい実例がたくさん載ってます。
>>老いて男はアジアを目指す
>>日本を捨てた男たち
外こもりのデメリット
確かに「外こもり」のメリットはたくさんありますが、逆にデメリットもあります。
・病気の時が不安
最大の懸念事項が病気・ケガではないでしょうか。
一人暮らしの部屋で倒れたらアウトです。孤独死まっしぐらになります。
また、外国で入院とかなると、費用が高額だ心細いということもあります。 できれば長期の海外傷害保険に入っておきたいですね。
まあ、ポックリ逝ければ本望かも?死んだあとは知らん!?
・働けない・稼げない(デメリットか?)
年金額が少ない場合、滞在国で働きたくなりますが、ほとんどの場合働くことはできません。自国民の就業を優先させるため、自国民ができることに対する労働ビザは取得できません。
ノマド的な働き方として、ネットで稼ぐのであればOKですが、シニアには厳しいかもです。
稼ぎたい方はこちらを参考にしてください。
・日本語が通じない
どこで暮らすにしても言葉の壁があります。
言葉が通じないことを逆に楽しむくらいであれば問題ないですが、人にとっては支障がでるかもしれません。
・おいしい日本食が食べれない
結構大きな問題です。
日本人なので美味しい日本食が食べたくなります。ましてやシニアの場合はこの願望は強烈かと。
本当に美味しい日本食屋さんは少ないです。あっても高くて躊躇するくらいです。行きつくところは自炊。人によっては家事力が半端なく上がります。
・やることがない(日本も同じ)
ダラダラするのが好きな人は良いですが、目的もなく海外生活を始めるとやることがなく、毎日がつまらなくなるかもしれません。
ただ日本にいても同じことなので、問題にはならないかも。
どこで外こもるか
どので外こもるかは悩むとこころです。
こればかりは個人的な好みとか、事情が大きく左右するかも知れませんね。
個人的には、遊ぶところがあって、お酒が安いところ。
この時点でマレーシア、シンガポールは対象外です。
バリ島(インドネシア)もクタあたりなら候補に挙がるかも知れませんが、お酒も高めだし雰囲気もちょっと違うかな。また、ウブドは数ヶ月なら良いかもしれませんが、年単位の生活となると厳しいかな、ということで除外。
結局、候補は以下の3か国で決まりですね。いずれもリタイヤメントビザは取りやすいです。
・フィリピン(マニラ、セブ)
・タイ(バンコク、ほか)
・カンボジア(プノンペン)
ノマド的にいろいろな国を数週間~数ヶ月単位で移動して生活するのも素敵かもしれません。
何をするか
何をするか、というのはあまり問題ではないかも知れません。リタイア後なので外野がとやかくいうべきものではないでしょう。
引きこもりなので、何か生産的なことはしていない、ということだけは言えるでしょう。
もう人それぞれの世界。。。
・だらだらする
・ゲームをする
・NetFlix三昧
・読書三昧
・現地の日本人とつるむ
・現地女性と遊ぶ
・ひたすら飲む
・夜の街を毎夜徘徊する
・ひたすら筋トレ
・毎日カジノ
・・・
誰も止める人はいません、やりたい放題です。
※引きこもりの過ごし方はこちらを参考にしてください
まとめ
さて皆さん、いかがでしたか?
『シニア男性「おひとり様の外こもり」のススメ』をご紹介しました。これから海外生活をお考えの方の参考になったでしょうか。
面白くもなかった「日本の生活」におさらばして、「おひとり様の外こもり」を始めて見ませんか?
人生の最後くらいは勝手気ままにやりたいことをやる。人様に迷惑を掛けなければいいじゃないか!
・問題は出口戦略!
『シニア男性「おひとり様の外こもり」のススメ』の課題は、ズバリ「出口戦略」です。
外こもりを始めるのは簡単です。多少のお金があれば、すぐにできます。問題はいつ、どのように日本に帰るかです。もちろん帰らない選択もありあます。
ただ、歳を重ねると体もガタが来て、外国での暮らしはきついものになるでしょう。認知症になったらと思うと怖くて想像できません(ま、本人は関係ないか)。
もし日本に帰る場所がなければ、こちらで家庭を持つことも一つの戦略ですね。
最後に、「外こもり」に関する書籍をいくつかご紹介して終わりにしたいと思います。ご参考になれば幸いです・
では、明るく、楽しく、前向きに、毎日をお過ごしください。
※ご紹介する本
>>外こもりのススメ:少々古いですが、バイブル的な本
>>「生きずらい日本人」を捨てる:ご存じ老舗バックパッカー
>>老いて男はアジアをめざす:多少暗くなる本です
>>日本を捨てた男たち:開高健ノンフィクション賞受賞の問題作
>>脱出老人:多少は明るいかも。。。
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