・心配事
最近キレる老人がよく話題に上がります。昨日もTwitterで、マスクをつけずにコンビニに入ろうとした老人が、注意した店員に執拗に説教し続けた、とのことです。
このような記事を見るにつけ、とても残念に思うとともに、自分はこのようになりたくない、と誰もが思うでしょう。
ただ、自分のことを振り返ってみると、記事に似たようなことで店員にいちゃもんをつけていたような気もします。
よくよく考えれば決して他人事ではないことです。
そこで、どうしたら避けることができるのか考えてみました。
老人がキレる問題の根深さ
キレる老人は確実に増えている
2019年版の犯罪白書を見てみると、キレる老人は確実に増えているようです。
①摘発された刑法犯を年齢層別に見ると、65歳以上の高齢者率は1989年の2.1%に比べて、2018年には21.7%にまで増加。それと反比例するかのように、若年層の刑法犯は減少傾向にあります。
※これは総数なので、人口構成の変化も影響あり
②高齢者が犯した罪にも変化が。1989年と2018年の罪名の割合を比べると、全年齢層で「傷害・暴行」が増えているのですが、特に高齢者は2.9%から13.5%まで増えています。
老人の凶暴化? 昔より元気なんでしょうか。。。
怒りの原因は、『自分自身の譲れない価値観』との相違
怒りの感情というものは、『こうあってほしい』『こうあるべきだ』という、自分の理想や期待、願望が裏切られたときに生まれます。
つまり怒りの原因は、『自分自身のゆずれない価値観』ということになります。誰かにイライラさせられたわけでも、怒らされたわけでもありません。怒りは、自分自身が生み出した感情なのです」。
老人になると、この「譲れない価値観」の範囲が小さくなり、その境界も厳格になることから、怒りに達することが多くなると言われています。
自分もいつ仲間入りするかの不安
もう、既に仲間入りしているのかもしれません。
他人事だと思っていると、「キレる老人問題」がいつ自分の身に降りかかってくるかわかりません。
自分自身か、パートナーか、兄弟親戚か。。。
私の父親の晩年がそうでした。
パーキンソン病でうまく歩行できない、字がうまく書けないことに苛立ち、家族に当たるようになりました。たぶん軽い認知症にもなっていたのかもしれません。
何がきっかけでキレる老人になるかわかりません。また、「キレる老人」であることを自分が認識できるかが問題かもしれません。
根は深いと思います。
なぜ老人はキレるのか
脳の老化という説
年齢を重ねると脳の萎縮が進み、理性的なブレーキをかける前頭葉が衰えるといいます。そのため、若い頃は「これ以上怒ってはいけない」と我慢できることでも、年齢を重ねると我慢できなくなるといいます。
40代以降、前頭葉を使っていないと衰えやすいようです。(今の自分が怖い。。。スカスカか?)
老人の孤独問題・居場所がないため?
定年後に自分の居場所がなく、孤独を感じて誰とも話さなくなり、活力がなくなり脳も老化していくといいます。
逆に孤独でいることで、『こうあるべきだ』という範囲が狭まり、怒りがちになるようです。
※別記事ご参照
老人を邪険に扱う世の中も悪い
日本では老人が多くなり、世の中の雰囲気が老人を邪険に扱うようになってきてませんか?また、今の失われた20年は今の老人のせいだ、という風潮もあり分が悪いです。
ある意味、老人たちがこのような雰囲気を感じ取り、逆切れしているような気もしないでもないです。
まあ、仕方ないと諦めるしかないでしょう。若い世代が少ないのは自分たちのせいなので。
フィリピンは老人の割合がとても少ないので、大事にしてもらっています。あまり切れている老人を見ません(数も少ないので)。
ゆがんだ自己愛?自己肯定できない自分
ひとは、自分の存在をバカにされたり、自己愛を傷付けられたときに強い怒りを感じるといいます。我々の若い頃は年上や目上を敬うように言われていたのに、今はそのような教えが薄れています。
さらに、昔は部長や課長などの肩書きがあり、それなりの待遇を受けていましたが、退職した途端に社会的地位がなくなってただの“オッサン”、”ジジイ”扱いになります。
名刺も無くなり、忸怩たる思いだけが残る、というのが現実ではないでしょうか。
認知症・その他の病気で仕方がない
認知症、パーキンソン病などいろいろな病気の影響でキレやすくなる、ということもあります。
明確に病気である診断がでれば、周りでもそれなりの対応が取れるかもしれませんね。
我々はどう対処すべきか
よくある対処法の記事を読むと、老人側からの対処法方法の記述もありますが、多くは被害を受ける若い人達向けのものが多いように思います。
そこで、今回は特に「老人」の観点から検討しました。
ちまたで言われている対処法
一般的に言われている、「キレる」ことへの対処法です。
・怒りを覚えたときに「深呼吸」をする
前頭葉の働きを回復させるには、深呼吸したり笑うことが効果的という実験結果も出ているので、怒りを感じたときは深呼吸などをして、落ち着くことを心がけるべきでしょう。
・新しいことにチャレンジする
前頭葉は使っていないと衰えやすいです。また、ルーティン的な行動では活性化せず、想定外のことや予想外のことを経験したときに活性化すると言われています。
そのため、新しいことやクリエイティブなことに挑戦するのも一手です。料理にチャレンジしてみるとか、家庭菜園をしてみるとか、新しいことはいくらでもあります。
新しい分野の本や映画を見てみるのも刺激になりそうです。何でもよいので、面白そうなことにチャレンジするのはいかがでしょうか。
さらに対策を考えた
一般的に言われていることは、あまりにも在り来たりなので、さらに知恵を絞ってみました。
もしご自分で、キレることが多少は気なるようであれば、ご自分に合いそうな対策をお考えになったらいかがでしょうか。
キレそうな場所には近づかない
まずは、自分がキレそうな場所には初めから行かないことです。
例えば、デパートのバーゲンセールやスーパーの特売。
ただでさえ人混みでイライラしてくるのに、そこで足でも踏まれでもしたら、説教大爆発になります。
会場設定や案内が悪いと、店員に食って掛かってしますことも考えられます。
初めから止めておくのが無難でしょう。
お金で対策する
・騒音問題
気になるときは、ノイズキャンセリング・ヘッドホンとかで音楽やオーディオブックなどを聞く、NetFlixを見る時間にする、など。
騒音問題を別のポジティブな時間に転換することです。
・イライラ解消
暑い・寒いでイライラすることもあるので、ケチらずに冷暖房をつける。
お金は墓場まで持っていけません。。。
環境を変える
・旅行する
国内でも海外でも、知らない土地に行ってみましょう。
違った文化で逞しく生活している人々を見ていると、くだらないことでキレていたことが馬鹿らしくなるかもしれません。
・移住する(転地療養)
怒りまくって近所迷惑と思われているでしょうから、いっそのこと移住してしまいましょう。数か月間海外で、気分転換のロングステイでもよいかもしれません。
環境を変えてみると心が落ち着くかも知れません。
本当のところは?
キレやすいということは、たぶん心が満たされていないことが大きいのではないでしょうか。
要するに、「暇すぎ」なんです。
心を満たすためには、何かに没頭できること、そして自己肯定できるようになることが、心の余裕を生むと思われます。
そのためには没頭できる何かを見つけることが必要です。たぶん、我々の世代には以下のものしかないような気がします。
ご自分の没頭できることはひとそれぞれだと思いますが。
仕事・副業をする
やはり、我々の世代は仕事しかないと思います。
趣味に没頭する
趣味に没頭できれば最高ですね。
外こもりをする
そして、最後の手段は強引に自分が何かに没頭できる環境に身を置いてしまうこと。
海外で引きこもりをするのも一つの手だと思います。
放浪する
シニアで放浪、粋ですね。
※放浪のススメは別途記事を書くつもりです。
まとめ
さて皆さん、いかがでしたか?
「【怖い!】キレる老人にならないためにはどうする?」をご紹介しました。これからキレずに穏便な生活を送る上での参考になったでしょうか。
キレないためには、まずは心の安寧を得ることが必要だと思います。ただ、煩悩にまみれた六十有余年、こびりついた垢は簡単には落ちないかも知れません。
いずれにしろ、若い人たちに辛く当たるのは止めたいものです。せめてバチがあたらないよう、「立つ鳥跡を濁さず」といきたいものです。
では、明るく、楽しく、前向きに、毎日をお過ごしください。
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