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定年後、プログラミングを一から勉強して仕事にしたいと考えているが不安
ネットを見ていてちょっと驚きました。
定年後にプログラミングを一から勉強して、プログラミングで稼ごう、という記事が結構多いのです。
定年退職者がプログラミングを勉強するのいは良いことだと思いますが、それで稼げるようになるかというのは別です。スクールに行けば稼げるようになる、という安易な考えはちょっと危険だと思います。
まずは、本当のところどうなのか具体的に見ていきましょう。
定年後の働き方としてのプログラマーとは?
私は定年後にプログラマーとして働くことを否定しているわけではありません。
実際に知り合いの中にも定年後にプログラマーとして稼いでいる人たちは何人もいます。また、定年後に初めてプログラミングを勉強して、ガッツリ稼げるようになった人たちというのも存在するのかもしれません(ネットでは見つかりませんでしたが。)
でもネット上で安易に「定年後はスクールに通ってプログラマーになって稼ぎましょう」などと、いかにもすぐにプログラマーで稼げるような記事を読むと、ちょっと違和感があるということです。
定年後の現役プログラマーとは
私の知っている定年後の現役プログラマーは、全て現役時代にIT関係の仕事をしていた人たちばかりです。
その仕事の内容も、アセンブラー、COBOL、Cなど現在ではあまり流行っていない言語(Cは今でも組込み系で使われる)がほとんどです。
つまり、最近の若い人たちができない(技術がない)、レガシー・システムのメンテナンスを中心に仕事をしている、ということです。このような人たちがいなくなれば、それらのレガシー・システムもなくなる、ということです。
まあ最近では、中国やベトナムなどでわざわざメンテナンス要員を育てているところもありますけど。
高年齢プログラマーの求人はあるのか?
基本的に高年齢プログラマーの求人は稀です。
求人がある場合は当然経験者、それも昔の技術(アセンブラーやCOBOLなど)が中心です。最近の技術であればわざわざ高齢者を雇う必要などありません。若い人か海外の技術者にすればよいだけです。
また、プログラマーというより、プログラミングの指導者としての求人はあるかもしれません。でも、これはもっと高いスキルが必要ということになります。
定年後にプログラマーになるのは可能か?
定年後から勉強を始めてプログラマーになれるのかを見てみましょう、
定年後にプログラマーにはなれるのか
はっきり言って、誰でもプログラムは書けるようになると思います、技術レベルは別ですけど。
最近のプログラミングやシステム構築技術は昔に比べて非常に分かりやすくなりました。深くIT技術を理解していなくても、ある程度のところまでは簡単に動くものができてしまいます。
ただ、見よう見まねでプログラムは書けるけど、お金を稼げるプログラマーになれるかは別です。
プログラマーで稼げるようになるには、言語(文法)だけの知識・理解だけでなく、プログラミング・デザイン、データベース知識、システム環境、ほかいろいろな知識がないと厳しいものがあります。
まずはプログラマーの適性があるか確認しよう
事実として、プログラミングに向く人、向かない人ははっきり分かれます。いくらプログラマーになりたいと考えても、プログラミングが性に合わなければどうしようもありません。
まずはプログラマーの適正があるかどうかをご自分で確認するべきです。
そのためにも、プロゲートなどの基礎コースで、プログラミングのお試しを行って、自分には全く向いてなかった、なんてことがないことを確認したいですね。
※適性があるかどうかはまだわかりません。このレベルで嫌になれば、明らかに適性はありません。
まずはこちらの記事を参考に検討してみてください。
嫌いでなければ、次は何のプログラマーになるか?
一応、プログラミングに拒否反応がないようであれば、次はどの分野のプログラミングを勉強するかを決めることになります。取り掛かりとして勉強する分野を決めるということです。
プログラマーといっても最近はいろいろな種類があります。それぞれによって使う言語や技術が違ってきます。
・Webサイト構築(厳密にはプログラマーではない)
・Webアプリケーション開発
・モバイルアプリ開発
・基幹系システム開発
・組込み系開発
など
もちろんベテランになるとほとんどの分野ができるようになるのですが、最初はこの中の一分野から選択することになります。
定年後にプログラマーになって稼げるのか?
企業への就職は非常に難しい現実
定年退職者が一からプログラミングを勉強して、企業に就職することはほとんど不可能でしょう。また、ITのフリーランスとして業務委託契約で仕事を獲得するのも、同じく厳しいでしょう。
なぜなら、プログラマーとして実務経験が無い場合、2~3年くらいは仕事ができるようになるまで育てないといけないからです。若い人なら将来があるので良いですが、定年退職者となると育てるモチベーションはありません。
要するに、高齢者で実務経験のないプログラマーを雇う会社はない、ということです。
未経験の高齢者がプログラミングの実務経験を積むという機会はなかなか得られないのが現実です。
逆に実務経験を積めれば、稼げるプログラマーへの道は開けると思います。
クラウドソーシングで稼ぐか?
企業への就職や、業務委託での仕事をもらえないとなると、最近はやりのクラウドソーシングで仕事を獲得する、という手段があります。
ただ、クラウドソーシングで仕事を受けるにはのそれなりの覚悟が必要でしょう。
まず自分自身を登録し、自分の作ったポートフォリオ(作成物のサンプル集のようなもの)を登録します。
まず最初は案件が取れるかが問題です。実際の経験がないとなると、単価の安い仕事にたくさん応募して何とか仕事を取る必要があります。
そして、うまく仕事が取れたら納期までに仕事をやり遂げなければなりません。
これらのことを、初めて一人で行うのは結構大変です。プログラマー仲間や指導してくれる人を見つけておく必要があるでしょう。
最初のうちは相当きついと思いますが、いくつか案件をこなしていければ少しずつ稼げるようになるかもしれません。途中で挫折しなければですけど。
スクールで稼ぐためのロードマップを確認すべき
もし最初からスクールに行くのであれば、プログラミング・スキルだけでなく、稼げるようになるまでの具体的なロードマップに沿った演習や、実際の指導があるか確認したほうがよいと思います。
スクールの授業で、プログラミング言語の文法と簡単なWebアプリケーションをまねて作ることができました、というだけでは実務で使い物になりません。
もし、クラウドソーシングで仕事を受けようと考えているのなら、実際の仕事のシミュレーションをやっておかないと大変なことになるでしょう。
あとは、スクールの中で仲間を募って、卒業後は協力しながらやっていく、というのも手かも知れません。または、実務でのメンターを雇う、低額のプログラミング・サロンに入って指導を受ける、などでしょうか。
いずれにしろ、一から勉強して稼げるようになるということは、そう簡単ではないと思います。
稼げるプログラマーを目指すのであれば、それなりの覚悟が必要でしょう。
趣味のプログラマーになるのが無難
私は趣味でプログラミングを学ぶのは大賛成です。
プログラミングをやることで新たなことが見えてくると思います。
新しい知識を吸収していくのは幾つになっても楽しいものです。ましてや、プログラミングは自分の作ったものが動くのが見えるので、それはやりがいのあるものです。
ただ、これが納期に追われたり、仕様が違うと責められたりすると、ストレスだらけになり、やがてプログラミングが嫌いになってしまうでしょう。
ここは趣味として、定年後の自由な時間を使って、好きなだけプログラミングをする、というのが楽しいのではないかと思います。
ここでスキルが相当付けば、「稼ぐ」というステージに移行できるかもしれません。
そういう意味で、趣味のプログラミングを始める取り掛かりとしてスクールという選択もありだと思います。独学より短時間にプログラミングを学べます(時間を買うというイメージ)。
(ご参考)
まとめ
さて皆さん、いかがでしたか?
「 【ちょっと待て!】定年後、プログラミングを仕事にするのは慎重に考えよう」をご紹介しました。これからプログラミングを学ぼうと考えている方々の参考になったでしょうか。
私は、定年後にプログラミングを学ぶということは大賛成です。歳を取っても常に新しいことにチャレンジし、勉強していくことは素晴らしいことだと思います。
ただ、定年後にプログラミングを一から勉強して生活資金を稼ぎたい、という考え方はちょっと甘いのではないかと思います。
もちろん、天才的にプログラミングが得意だったとか、必死になって勉強・鍛錬して一流になれることもあるかもしれません。でも、多くの人は途中で挫折する、なかなか稼げるようにならない、というパターンが多いのではと懸念しています。
プログラムが書けるというのと稼げるというのは別です。
本当に稼ぎたいと思うのであれば、稼ぐための実務経験やノウハウも合わせて習得する必要があるでしょう。
※決して情報商材屋に騙されないで下さいね。
いずれにいろ慎重に取り組まれて、楽しくプログラミングができるようになればよいですね。
では、明るく、楽しく、前向きに、毎日をお過ごしください。
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