(この記事がお役に立てる人)
・定年前後の年齢でこれからの長い老後に不安を感じている人
・具体的な健康長寿の方法を知りたい人
定年後、切実な問題として浮上してくるにが「老化」問題。
顔にシミ、シワが増え、薄かった髪の毛はさらに薄く白くなる。肌に張りが無くなり薄くなり、階段の下りが少し怖くなる。ふとしたことで自分の「老化」を意識せざるをえない。
人生100年時代、できることなら健康のまま長生きし、コロリとあの世に逝きたいものだ。
このような不安に対してかなり明快な指針を出しているのが本書。ちょっとおや?というところもあるかもしれないが、そのへんは自己判断するしかない。
ぜひ本を購入して全体を読んでみたい1冊と言えるでしょう。Kindle本だと安いですよ!
本書の概要
本書は全体で4章からなる。
まずは、各章の概要を見てみることで全体の流れを見てみることとする。
第1章 健康長寿のカギは「70代」にある
『嫌な言い方をすると、寿命が延びていくこれからの時代は、事故やまだ解明できていない病気で早死にするか、100歳近くまで長生きをしてボケて亡くなるかのどちらか という時代になってくる。私たちの 人生の晩年は、大きく変わろうとしているのである。
(中略)
この人生終盤の活動期に努力して過ごすことで、身体も脳も、若さを保つことができるし、その後、要介護となる時期を遅らせることも可能になる。』
確かにこんな二者択一ならちょっと困る。できれば健康で長生きしたいものだ。そのためにはまだ体の動く70代で努力して、できるだけその後を若く保つ良いにすべきと述べている。
長生きしてもベッドでたくさんのチューブを繋がれて、ただ生かされているのは誰でも嫌だろう。
そのため筆者は70代と80代以降を以下のように区分けしている。
●70代は「老いと闘う 時期」
●80代以降は「老いを受け入れる時期」
そして、本書で一貫して以下のことを述べている。これは筆者の根底にある考え方だ。つまり、人はやる気が無くなったら「終わった人」になるということだろう。
●老化で一番怖いことは「意欲の低下」である
第2章 老いを遅らせる70代の生活
最初の心構えとして以下の記載がある。
『70代に一気に老け込む人の典型は、仕事をリタイアしたときから、一切の活動をいっぺんにやめてしまうというケース。
そうならないためにも、退職を迎えたら、これ までの仕事の代わりに次に何をやるのか、準備をしておくことが大切。なので「 引退する」という考え方自体が、老後生活のリスクである。』
確かに周囲を見渡すと、同じ年代なのに若々しい人と老人そのものという人の格差が激しいようだ。この年代はボーッとしているとあっという間に”いわゆる老人”になってしまうのだろう。
このように一気に老人にならないためにどうしたら良いか具体的な方策を筆者が述べている。
※詳細は第二章を参照。
第3章 知らないと寿命を縮める70代の医療とのつき合い方
今までは医者は偉いものと患者は意識していたが、それは対等として対応すべきだとしている(当り前だが)。医者の言いなりにならないようにすべしとの趣旨。
主要部分をピックアップしておく。
『70代ともなれば、何らかの持病を抱える人も増え、日常的に病院に通う人も増える。つまり、医療とのかかわり自体が、80代以降の生活を大きく左右することになる。
まずは薬。
70代になったら、飲んでいる薬を今後も同じように飲み続けるのか一度見直してみることが大切。副作用を感じているのであればなおさら。現在の生活の快適さを優先したほうがよい。
医師が言う正常値にこだわることなく、日常の活動を落とさない程度の薬にすべき。
健康診断
健康診断で異常値と判断された人が病気になるという明らかなエビデンスはない。よほどの異常値でなければ、今後健康状態を害する可能性が確率論的に高いということだけなのだ。
心臓ドックと脳ドックだけでよい。
医師との付き合い
医師の言うことに従っていれば長生きできるといった考えは捨てるべき。日本の医師は長生きの専門家ではない。自分の担当する臓器のスペシャリストでしかない。
薬を飲んだ時の不調を訴えても取り合ってくれない医師や病院なら、通うのはやめるべき。また、偉そうにしている医師、自分の治療を押し付ける医師、患者の話を聞かない医師などには付き合う必要はない。
ガンとの付き合い
70代になったら手術はしない。手術をすれば確実に体力は落ちて老け込む。
手術をするかしないかは生き方の問題だが、手術をしないほうが結局長生きできるように思われる。
第4章 退職、介護、死別、うつ……「70代の危機」を乗り越える
テクニカル的なものではなく精神論である。取ってつけた感が否めない。まあ、話半分に読めば十分か。
・定年後の喪失感をどう克服するか
・趣味は働いているうちに作ろう
・介護を生きがいにしない
・配偶者と親との死別を乗り越えて生きるには
・高齢者のうつのサインを見逃さない
・ウツになりやすい人の「考え方」、なりにくい人の「考え方」
・男性ホルモンは男にとっても女にとっても若さの源
・歳を取ってやさしくなることが、幸せへの近道
若さを保つための重要10ポイント解説
ぜひ自分に合うものを選び出し実践して欲しいものだ。
・働くことが老化防止の最高の薬
隠居すると一気に老ける。
老化は40代からすでに進んでおり、家に引きこもることで活動の意欲がどんどん低下する。活動しないことが脳機能、運動機能を一気に老化させてしまう。
多くの人にとって、老化防止の最高の薬は働くことであって、医者から貰う薬ではない。
※再就職を考えているのなら以下を参考にして下さい。
※副業をしてみたい方は以下の記事を参考にしてください。
・運転免許は返納しない
高齢者にとっては環境の変化が老化に大きな影響を与える。
特に地方であれば、自動車の運転を辞めることは外出の機会を大きく奪うことになり、外に出歩くことが非常に少なくなってしまう。すると、2~3年で要介護状態や認知症のような状態になる可能性がある。
高齢者の活動量を落とさないためにも、また活動しようという意欲を低下させないためにも運転免許は返納すべきではない。
・肉をちゃんと食べる(粗食にはしない)
老化は意欲の低下によって加速する。意欲の低下が活動レベルをどんどん落とし、運動機能や脳機能を一気に老けこませる。意欲の低下を防ぐのに有効なのは「肉を食べること」である。
歳をとると意欲レベルが低下してくる理由にはいくつかあるが、そのひとつが、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの減少。セロトニンが減少すると若々しさや活動する意欲が減少する。これを改善するのが肉を食べること。
また、肉にはコレステロールが多く含まれているが、コレステロールは男性ホルモンの原料となり活動意欲の向上に寄与する。
・陽の光を浴びる習慣が人を若々しくする
適度な日光浴をする習慣も、意欲の低下を防ぐには効果的。
神経伝達物質・セロトニンは、光を浴びるとたくさんつくられる。
陽の光を浴びてつくられたセロトニンによって、夜になると脳ではメラトニンというホルモンがつくられる。このメラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれており、人の睡眠と深くかかわっており、よく眠れるようになる。また、不安も解消されて老人性うつの予防にも役立つ。
※運動系の趣味は以下を参考にしてください。
・生活の中で変化を求める(好奇心)
高齢者の意欲の低下は、前頭葉の老化によっても引き起こされる。つまり、前頭葉が萎縮していくことの結果として引き起こされる。
実際、前頭葉の委縮は40代から始まっているが、ほおっておけば委縮はどんどん進行して、意欲レベルの低下を引き起こす。
この前頭葉の老化を防ぐには「変化のある生活」をすることがいちばん。つまり、想定外のことに対処すること。
だから、自分の生活が単調になっていないか見直すとベター。
(※)手っ取り早いのは旅行。それも知らない場所、できれば外国が良い。
トラベルはトラブルと昔から言う通り、それは想定外の連続。できればパッケージ旅行ではなく、自分で手配したバックパック旅行がベスト。宿の事前予約などせず、着いた日に自分の足で探す、など前頭葉バリバリの活動になること請け合い。
以下の記事も参考にしてください。ちょっと刺激が強すぎるか。。。
・アウトプット指向になる
一人で読書にいそしむような自学スタイルは、 前頭葉の老化を防ぐという面では役に立たない。本を読んでインプットするという行為はあまり前頭葉を活性化させないのだ。
前頭葉の老化を防ぐためには「 アウトプット 型」の勉強スタイルに意識して変えていくということが効果的。つまり得た知識を、これまでの経験や他の知識を使って加工し、自分の考えとして述べるときに前頭葉は活性化される。
何か学びたいことがあるなら独学はせず スクールやサークルなど何人かの集まりに参加 して学ぶほうが、まだ、前頭葉を使う。 他の参加者と意見交換するようなアウトプットする機会にも恵まれるためである。
※アウトプット指向にはブログ、フェイスブック、SNSなどが有効。
・運動習慣を作る
もう一つ大切なポイントが運動機能の維持。
70代のタイミングで意識的に体を動かしていたかどうかで、80代になっても運動機能を長持ちさせることができるかに大きく関わる。
70代は意欲面での低下は避けられないので、意識的に体を動かす必要がある。
大切なのは適度な運動。激しい運動をやりすぎると逆効果。負荷をかけ過ぎると体が逆に弱ってしまうこともあるので十分注意が必要。
散歩などゆっくり体を動かすものが最もおすすめだが、弱りやすい階段を下りるときの筋肉を鍛えるとか、水中ウォーキングなども効果的。
※運動系の趣味は以下を参考にしてください。
・長生きしたければダイエットしてはいけない(太っていた方がよい)
高齢になってからのダイエットは、一気に老けこむリスクになる。
少なくとも70代になったらダイエットはすべきでない。(除く、病気などの食事制限)
真面目にメタボ指導に従ってダイエットをすると、逆に寿命を縮める結果を招いてしまうと統計データが示している。また、見た目の若さについても、実年齢より若く見えるのはふっくらした体系の人である。
70代になったら栄養の不足に気を付けて、取りすぎについては過敏になる必要はない。
・美味しいものを食べて免疫力アップ
70代になったら、好物を我慢する必要などない。
たとえ健康診断でコレステロール値や血圧、尿酸値が高いといって、食べたいものを食べずに我慢している人が多くいるが、多少高いくらいなら好物を我慢する必要などない。
高齢者は粗食の人が多いので、好物を我慢するより食べたいものを食べて栄養を取ったほうが良い(もちろん重い病気を患っているのなら別だが)。
・人付き合いを見直す
なるべく人付き合いは続けることが望ましいが、嫌な人との付き合いは止めるべきだ。
もう仕事からは距離を取れるようになっているはず。自分の気持ちに素直になって交友関係を見直し、好きな相手、楽しい仲間とだけ付き合えばよい。
逆に義務感や惰性で嫌な付き合いを続けると、人付き合い自体がどんどんおっくうになってしまう。
※明るい「引きこもり」も一つの手段です。
まとめ
さて皆さん、いかがでしたか?
「【超要約】「70歳が老化の分かれ道」-若さをどう持続するか?」をご紹介しました。これから日々の生活を送る上での参考になったでしょうか。
我々、定年退職したものにとって「老化」は切実な問題です。ここでやり方を間違えたら「ボケ老人」一直線。
そうならないためにも、これから70代を迎える人たちも含め、70代を如何に過ごすかが我々自身に問われています。
折しも「団塊の世代」が丁度70代。これからどうなるかをしっかり見届けていきたいものです。
いずれにしろ、何事にも能動的に取り組んでいけば、結果はついてくるものと思います。最悪、「ボケてしまえば勝ち!」かも知れませんね!
最後に、長寿に関するベストセラー、LIFESPAN の紹介も別の記事でしています。ハーバード大学の世界的な権威が長生きするためのノウハウを余すところなく開示した驚愕の書です。リンクを掲載しておきますのでぜひご一読を。原本を読みたい方のためにリンクも貼っておきます。
では、明るく、楽しく、前向きに、毎日をお過ごしください。
・70歳が老化の分かれ道
・LIFESPAN
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