・危機感再び
「70歳定年パニック あなたは戦力? お荷物?」
今年4月から、70歳まで就労機会を確保する努力義務が企業に課せられる。事実上の「70歳定年時代」の到来だが、その未来は決してバラ色ではない・・・。
今度は、「日経ビジネス」2月22日号でセンセーショナルな特集記事が出ました。
こんな記事を見ると辛いですよね。『事実上の「70歳定年時代」の到来』と言われたって、70歳まで働きたくなんかない!と叫びたくもなります。
でも、所詮は日経ビジネスの煽り記事です。また、国や経営者側からのアドバルーン記事ともみるべきでしょう。
このアドバルーン記事が意味するものは何なのかはとりあえず無視して、どのように「定年延長・再雇用」をどのように楽しく乗り切るか考えませんか?
日経ビジネス記事が意味することとは?
2021年4月より、70歳までの就業確保が努力義務として各企業に課せられることになります。
これが将来どのようなことを意味するのでしょうか?特に40代、50代の現役世代にとっては重大な意味をもっています。
改正高年齢者雇用安定法の概要とは
1.65歳までの雇用確保(義務)
2025年から完全適用される
2.70歳までの就業確保(努力義務)
企業はいずれかの措置を講じるよう努めなければならない
①70歳までの定年引上げ
②定年廃止
③70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
⑤70歳まで継続的に従事できる社会貢献事業の導入
(事業主が実施するもの、もしくは業務委託・出資するもの)
改正高年齢者雇用安定法の意図するものは
新しい法律が出来るということは当然何らかの意図があります。
表向きは、「1億総活躍時代」などと言って、シニア世代が現役で活躍できるように、と言うでしょうが、実際はどうなんでしょう。
1.厚生年金の70歳支給(国)
国としては当然、老齢年金・厚生年金の支給を段階的に遅らせて、最終的には70歳支給開始にまで持っていくでしょう。
海外の年金支給は既に60代後半です。老齢人口の多い日本が65歳であるわけがありません。
2.年功序列賃金の廃止・縮小(企業)
各企業を見ると、年功序列賃金はさらに崩れていき、若い人たちと年配者間の賃金格差が縮小するでしょう。
というか、賃金は年功というより職責により決まる方向に給与体系が変わっていくでしょう。
さらに、採用も総合職の新卒一括採用から、JOB型採用に変わっていくのではないでしょうか。
40代、50代シニア世代への影響は?
賃金の抑制・退職金の減額
賃金の抑制・退職金の減額がさらの進むことが考えられます。
給与総額を一定と考えた場合、定年延長で給与の高い年長者が相対的に増えれば、全体の賃金を抑えるしかありません。若い人たちの給与を押さえるわけには行きませんので、高齢者の賃金を抑えるでしょう。
また、当然各個々人の職責と業績によりメリハリをつけた給与になっていくことが良そうされます。
人によっては、今の給与がピークで、今後は下がるのみということになりかねません。
ゼネラリストが割を食う
役職定年になったゼネラリストの行く末が心配です。
ほとんどの人は新卒でゼネラリストとして育ってきているはずです。
その人たちが役職定年になり、一兵卒として現場の第一線に立つ、新しい仕事をこなしていく。。。各人がどのように成果を出していくのかよく分かりません。
逆にスペシャリストであれば、高度専門職としての待遇を得て、一匹狼として仕事をしていく方向性は見えます。もちろん、業界内での高い専門性が求められるでしょうが。
でも、業種や会社により千差万別でしょうから、なんとも言えませんね。
魔の10年がやってくる
今までは60歳定年後、再雇用で5年間我慢すれば年金をもらえて、バイバイできたのが、10年我慢しなければならなくなります。
つまり、地獄の10年?になる、ということです。
場合によっては、役職定年後の15年間程度を耐え忍ばなければならない、ということ。
これって、プライドのある人なら無理ですね。
年下の上司にこき使われて、若い人たちから邪魔者扱いされて。。。心の休まることがありません。
会社もお荷物には冷たくあたると思います。早期退職募集は当たり前、辞めない人にはパワハラぎりぎりのこともしてくるかもしれません。
70歳定年はちっともバラ色には見えませんが。。。
40代、50代はどうすべきか?
それでは、現実に70歳定年制に遭遇しそうな、40代、50代の現役世代は、どのように対処すべきなのでしょうか?
きっとしたたかに、サラリーマンの本領を発揮して生き抜いていくものと信じています。
①役職者である間に自分の居場所・仕事を見つける(作る)
たぶん、ほとんどの人が自分の居場所作り・仕事作りに走るでしょう。
人間だれもが、おめおめとこき使われ、邪魔者扱いされるところを避けようと考えます。自分の昇進の限界が見えてきたら、社内か社外は別として行動するでしょう。
うまく自分の居場所を作れなかった人が、地獄の10年(15年)を味わうことになります。
でも、居場所を見つけたと思ったら、蜃気楼だったなんてことの無いようにしたいですね。
②スペシャリストとしての力を磨く
もしご自分がスペシャリストであればラッキーですね。
自分のスキルをもっと伸ばして、業界や学会でも有名になれるように気合を入れましょう。
そして決して自分のコアスキルは社内の後輩に渡さないこと。
会社としての最適化とは相反しますが、そんなの構ってられませんよね。
③副業(起業)に走る
ご自分がスペシャリストでなく、会社での居場所も作れそうになかったら、今すぐ副業に走りましょう。
そして、副業が大きく育ったら、会社を興しても良いかもしれません。今はやりのシニアの起業です。
副業をしていれば、雇用延長の職場で虐げられても、心の安定を保てるでしょう。
そうと決まれば、以下の記事を参考に今すぐ副業にチャレンジですよ!
④経済的自由を早く達成する
最近、FIRE(Financial Independence, Retire Early)という言葉がはやっていますが、早期リタイヤでなくても、「経済的自由」さえ達成していれば、何も怖くありません。
雇用延長でツマラナイ仕事をあてがわれようと、別にいつでも辞められる、という裏付けがあれば、心穏やかに会社での余生を送れるというものです。
早いとこ不労所得で経済的自由を達成したいものですね。
⑤何はともあれ、就職エージェントへ登録する
もしご自分が役員には無理そうであれば、とりあえずエージェント登録をして、自分の価値を知りましょう。良い担当者であれば、あたなの「価値」を見出してくれるでしょう。
今後どうするかはそれから考えましょう。
自分の強みは何なのか、何のスキルを伸ばせば売れるのかをしっかり把握したいですね。
そして、次は本気で「転職」も視野に入れたいものです。
まとめ
さて皆さん、いかがでしたか?
「【40代・50代必見!】 70歳定年パニックがもたらすものとは?」を検討してきました。これから皆さんの「70歳定年ライフ」をどう生きるかについて、少しは参考になりましたでしょうか。
新聞(雑誌)記者が考えるより、サラリーマンはバカではありません。
多くのサラリーマンはしたたかに地獄の10年(15年)を生き抜くでしょう。
しかし、役職定年から完全リタイヤまでの間は、長く困難な期間には変わりありません。入社時にはこんなことになるなんて、思いもよらなかったですよね。会社人生ってなかなか面白いものです。
自分の進むべき方向をじっくり考え、けっして「地獄の10年」などと言わせないように生き抜きたいものです。
では、明るく、楽しく、前向きに、毎日をお過ごしください。
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