・お悩み
もうすぐ定年になる。
やっと宮仕えから解放されて自由になる。多くはないが退職金も入る予定だ。退職金は年金と一時金を選択できるようだ。使い方もどうしたらよいか悩んでいる。。。
長い間のお勤めご苦労様でした。
虎の子の退職金です。ローンの返済、貯金、投資、などどのように使ったらよいか悩みどころですよね。
受け取り方も含めて、賢い方法を考えていきましょう。
退職金の現状
退職金の平均支給額
退職金の支給額はどんどん減っています。
厚生労働省の「就労条件調査」によると、大卒者の定年退職者(勤続20年以上かつ45歳以上)の退職金平均額は、以下のようになっています。
2002年:2,499万円
2007年:2,323万円
2012年:1,941万円
2017年:1,788万円。
過去15年間の調査からは700万円近く、最も平均額の多かった1997年(2,871万円)からは1,083万円も下がっている(図4)。
私の場合も、いつだったか忘れましたが、退職金改悪の説明会があり、有無を言わさずサインをさせられ、一時金で3割減程度、企業年金ベースでは半分以下になっています。
5年くらい上の人たちまで逃げ切れて今は悠々自適のようですけど。
世の中、巡りあわせというものがありますよね。
退職金制度の変遷
退職金の金額だけでなく、退職金制度のある企業自体も減少しています。
退職給付制度の実施状況(出所:厚生労働省「就労条件総合調査」、以下同様)から見てみると、退職給付制度がある企業の合計は
2008年:83.9%
(年金制度あり:37.5%、一時金制度のみ:46.4%)
2018年:77.8%
(年金制度あり:22.6%、一時金制度のみ:55.2%)
この10年間で、退職給付制度がある企業が約6%減少し、その中でも年金制度を提供している企業は約15%も減少したのです。
普及率が低下している背景には、以前普及していた適格退職年金や厚生年金基金が廃止されたこと、そしてその受け皿として期待された確定拠出型年金の使い勝手が悪く退職給付制度自体をなくす企業が増えたことなどがあると思われます。
また、年金制度の中身も大きく変わっています。
2008年の制度内訳
確定給付型年金(会社保障):70.7% (36.4%)
確定拠出型年金(個人運用):26.9% ( 6.0%)
※数字は大企業。()カッコ内は企業全体
2018年の制度内訳
確定給付型年金:48.4% (14.1%)
確定拠出型年金:50.5% (11.4%)
年金制度のある企業割合が減っている中で、年金制度が確定給付型から確定拠出型にシフトしています。
これは、年金運用のリスクを企業から個人へ押し付けているわけです。
私の場合も、退職金制度の改悪で、サイン以降は確定拠出年金への拠出割合が多くなり、確定給付型への拠出は途中でストップになりました。(昔は401Kとか言ってましたけど)
同じような経験をされている方も多いのではないでしょうか?
あの頃、もう少し金融リテラシーが高ければ、もうちょっと確定拠出年金も増やせたのでしょうけど。今から思えばホント情弱でした。。。
今からでは遅いかもですが、「お金の勉強」と「実践」をしてます。
退職金は一時金か企業年金か?
もし退職金の受け取りを一時金と企業年金のいずれかを選べるとしたら、どうすべきでしょうか?もちろん、すぐにお金が必要な場合は、一時金を選択せざるを得ないですが。
ここでは、退職金の大半を老後資金として使える前提で考えます。
ググると、フィナンシャルプランナーなるものが、「こっちだと税金がぁー」、などと書いている記事がたくさんありますが、基本は以下でしょ。
終身年金が選べる場合
迷わず終身年金の一択。
今どき、全額を終身年金にしてくれる企業は少ないと思います。たぶん、退職金の一部が終身年金になるのではないでしょうか。そうであれば、終身年金になる部分を全額終身年金にすべきでしょう。
税金云々の話は気にせず、終身もらえるという心の安寧を優先すべきだと思います。
終身年金は完全な不労所得です。つまり、「老後のお金の不安を無くす唯一の方法」
毎月の収入 > 毎月の支出
が達成しやすくなります。
老齢年金+厚生年金+企業年金の終身トリオと多少の配当収入があれば、難なく上記の式が満たせるでしょう。
ただし、将来のインフレ・リスクは考えておきたいですね。以下の記事もご参考にしてください。

有期年金の場合
有期年金の場合は少し考える必要があると思います。
まず、年金の条件がどうなのか?
年金の期間、運用利率、税金、等々。
最も安全で有利な方法を選択することが望まれます。
一時金でもらって、自分で運用したほうが有利な場合も考えられます。
そのほか、この有期年金(または一時金)を使って、老齢年金・厚生年金の繰り延べも検討したほうが良いかも知れません。
ご自分の金融リテラシーを鑑み、受け取り方針をご検討されることをおススメします。
退職金の使い道は?
退職金の使い道とは
退職金の使い道としては、定年後の生活費、つまり当面は老後の貯蓄が大半のようです。
この資料では、生活費に充てる資金をどのように運用しているかは不明ですね。
・定年後の生活費 :52.2%
・ローン・負債の返済:20.8%
・住宅や車の支払い : 8.8%
・万一の場合の備え : 7.4%
・趣味・贈与・その他:10.7%
※出所:「退職者8000人アンケート 2015年調査」(フィデリティ退職・投資教育研究所)
生活資金以外の退職金の使い道
退職金の使い道がある場合は、当然それが優先されます。
でも、できれば退職金を当てにするのでなく、それ以前に対応しておきたいものです。
・住宅ローン返済
計画的に、早めに繰上げ返済しておきたいものです。
・教育資金
在職中に子供が大学を卒業してくれたらラッキーですね。
でも、理系などは大学院に行くのが普通なので、安心してはいられませんね。
私のところは、学資保険入っていてよかったです。
昔の学資保険は結構利回りが良くて助かりました。
・家のリフォーム(バリアフリー)
確かに、家のリフォームはありますね。
自宅もよく見てみると、老朽化してきているところがたくさんあります。
また、子供が外に出たので間取りなど考え直しても良いかもしれませんね。
でも、バリアフリー化はもうちょっと先でしょうか。。。
・車など耐久消費財
地方にお住まいの方は仕方ありませんが、都会に住んでいる方は車は必要ですか?今なら、レンタカーに加えカー・シェアリングもあります。歩きと電車とで結構大丈夫なものですけど。
当面使わないお金は運用する
退職一時金を選択した場合、当面使う予定がなければ運用するということになります。
しかし、現役時代と違って運用には気を付けたいですね。
退職金の運用で気を付けたいことは以下の5点です。
1.安全第一で考える
まずは安全に運用しましょう。虎の子の退職金を減らしてしまうようなことは避けたいです。
決して、FXや暗号資産(仮想通貨)は止めましょう。これらは投資ではなく、ギャンブルです。
2.流動性を確保する
投資をするにしても、一定割合の資産の流動性は確保しておきましょう。
いつ何時、お金が必要になるかわかりません。急に入院することになった、などおというときに、先立つものはお金です。
3.リスク許容度を自覚する
なるべくリスク資産(株式、債券など元本保証されない金融商品)を持たないことが望ましいですが、自分でリスク許容度を自覚して投資するのであれば、大丈夫でしょう。
例えば、明日株式が暴落して、半値になっても「こりゃ参ったね!」と笑っていられるか、ということです。
4.欲をかきすぎない
人間、誰しも高い利回りが欲しいです。
でも、欲をかきすぎると必ずしっぺ返しがきます。何事も塩梅が肝心かと。
そういう私は、欲をかきすぎて、株の塩漬け銘柄がいくつもありますが。。。
5.分散投資をする
もし投資を行うのであれば、一点集中ではなく分散投資を行いたいものです。
一点集中投資は当たれば儲かりますが、外れると大損します。定年後はそこまでリスクはとるべきではないでしょう。
定年後の投資戦略は、以下の記事にまとめていますのでご参考にしていただければ幸いです。

まとめ
さて皆さん、いかがでしたか?
「【【なるほど納得!】退職金の賢い受け取り方・使い方とは?」をご紹介しました。退職金の受け取り方・使い道を考える上での参考になったでしょうか。
退職金は老後を支える重要なお金です。
受け取り方、使い方をしっかり考えていきたいものです。そのためには、当面使わないお金は安全第一で運用しましょう。決して目先の「儲かりまっせ」話にうっかりのらないように気をつけましょう。
今の世の中、自分で情報を集めて、分析して、判断することが求められています。
世知辛い世の中ですが、仕方ないですね。
では、明るく、楽しく、前向きに、毎日をお過ごしください。
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