・はじめに
今回は、バビロンの大富豪「繁栄と富と幸福はいかにして築かれるのか」のご紹介、第二弾です。
前回の、【息子に教えたい】 超要約・「バビロンの大富豪」では、全体要約のご紹介でしたが、今回はこの本の中心となる「黄金の七つの知恵」を徹底解説します。
それぞれの知恵の解説だけでなく、現代ではどのようにその知恵が生かせるのかを検討してみたいと思います。
この本は、お金に関する書籍の原点とも言われる作品であり、ぜひ原本をご一読されることをお勧めします。
「バビロンの大富豪」とは
この本は、プロローグも含めて10話からなる短編物語集です。
中心となるお話は、バビロン一の大富豪、アルカドと言う人物が、どうしたらお金持ちになれるのかをバビロンの民衆に講義する、第二話です。
ここで有名な「黄金の7つの知恵」が披露されます。
その後、息子ノマシアの物語で「5つの黄金法則」が語られたりもしますが、知恵と法則が重複していたりします。
その意味で、本当の中心的な教えは「黄金の7つの知恵」となります。
この法則を現代ではどのように生かせるのかも、合わせて検討していきたいと思います。
バビロンの大富豪「黄金の7つの知恵」の解説
黄金の7つの知恵は、第2話ででてきます。
第2話 富をもたらす黄金の「七つの知恵」とは
-大富豪アルカドの価値ある講義
大富豪アルカドが、王の命を受けてどうしたら財産を築けるのかを市民に7日間にわたって講義をし、皆で議論します。
1日目から7日目の各テーマがそれぞれ7つの知恵に相当します。
第一の知恵:財布を太らせることから始めよう
・収入の十分の一を貯金せよ
アルカドの一日目の講義要約:
財布に十枚のコインを入れたなら、使うのは九枚まででやめておくのです。するとすぐに財布は太りだすのです。
そして奇妙なこととして、稼いだ金の十分の九を超える分は使うのを止めてからも、それまでと同じように生活できることを話します。
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(解説)
私たち日本人にとって、収入の十分の一を貯金することは特に難しいことではないと思います。この「貯める力」は日本人なら当たり前!といった感じでしょうか。
私たちの若い時は「財形貯蓄」なるもので毎月の積立をしていました。結局は住宅購入の頭金に消えていったように思いますが。
現代で言えば、iDeCoや積立てNISAなどが該当するかと思います。いずれにしろ、天引きでの貯蓄は子供に強く勧めたいですね。
今の世の中、十分の一といわず、給料の30%くらい貯蓄してもよいのでは? まず種銭を作らないと、なかなかお金を増やす力ができません。
30歳でFIREを達成した、「三菱サラリーマン」さんみたいに給与の約8割を投資に回すのは厳しいかもしれませんが。
若者よ、FIRE目指してがんばれ!(FIREした後どうするの?という根本課題はあると思いますが。。。)
お金を使う側に回っている、我々シニアには関係ないですけど。
※FIRE: Financial Independence(経済的自立), Retire Early(早期退職)の頭文字をとったもの
第二の知恵:自分の欲求と必要経費とを混同するべからず
・欲望に優先順位をつけよ
アルカドの二日目の講義要約:
私たちがそれぞれ必要経費と呼んでいるものは、自分で気をつけて いない限り、必ず収入と等しくなるまで大きくなってしまう。必要な経費と自分自身の欲求とを混同してはいけない。
収入の九割以上は使わず、一番大事な欲求が叶えられるよう支出のための予算を組むことです、と諭します。
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(解説)
まるでパーキンソンの第二法則「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」ですね。
結論としては、自分のために支出した一割を除く、残り九割の中で必要な物を買って、全てを賄うべき、ということです。
第二の知恵も多くの日本人にとって、「収入の範囲内で生活する(貯金は別)」ことは当たり前であって、特に違和感のあるものではないように思います。
こう見てくると、バビロンの大富豪の考え方と日本の考え方・習慣には相通ずるものがあるということでしょうか。とても親近感がでてくるというものです。
第三の知恵:貯めた資金は寝かさずに増やすべし
・貯えた金に働かせよ
→本当の財産とは、財布を太らせる金の流れである
アルカドの三日目の講義要約:
よろしいですかな、みなさん。人間にとって財産とは、財布の中に持っている現金ではありませんぞ。しっかりした定期収入こそが財産なのです。
財布の中に絶えず流れ込み、いつも中身をふくらませてくれる金の流れこそが財産なのです。
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(解説)
第三の知恵は、お金を持っていることが財産ではない。お金を生み出す仕組みこそが財産だと言っています。これは、一般人の我々にとって新しい考え方です。つまり投資・「増やす力」をつけろという考えです。
サラリーマン時代の考え(つまり学校教育)にはこのような「投資」の発想は薄いと言わざるを得ません。銀行預金など元本保証信仰が強い運用がいまだに中心といえます。
事業家、投資家と言われる人々はこの考え方、お金が自ら増えていく仕組みの重要性を認識している人たちなのでしょう。
我々(元?)サラリーマンは、この第三の知恵を十分勉強して生かしていく必要があるでしょう。
第四の知恵:損失という災難から貴重な財産を死守すべし
・危険や天敵から金を堅守せよ
アルカドの四日目の講義要約:
災難というものは、人々の暮らしに大きな傷跡を残して立ち去ります。財布の中の金はしっかりと守らなければなりません。
そのためには、知恵のある人間に相談すること。つまり金を扱って利益を生むことに経験を積んだ人に勧告や助言をしてもらうことです。
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(解説)
これも我々の発想にはあまり無い知恵です。
お金も含めて「安全・安心」というものに慣れきっている、といえます。
逆に、この第四の知恵がないために、詐欺まがいの投資話にひっかかったり、法外な情報商材を買わされたりするのかもしれません。
第四の知恵、お金を「守る力」をつけることは、特に我々シニアには重要な教えなのかも知れません。
また、最近ネットワークビジネスがまた復活して来ているようです。なかなか困ったことですが、我々もお金の財産だけでなく、信用という財産を失わないよう気を付けたいものです。
第五の知恵:自分の住まいを持つことは、有益な投資と心得よ
・より良きところに住め
アルカドの五日目の講義要約:
自分の家を手に入れると、生活コストが下がり、仕事で稼ぐ金のうち、娯楽や自分の欲求を満足させることに使える額が増えるという、良いことずくめである。
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(解説)
これは日本でも「自分の城」信仰が強く、我々も強く持っているものでしょう。
我々の世代は、あくせく働き、長い住宅ローンを組んでやっと自分の家が持てた時代でした。
しかし、我々の子供の世代は、同じように受託を買う必要はあるか疑問が出てきます。
人口減に伴い、首都圏でも空き家が急激に増加しています。また、リモートワークの増加に伴い会社の近くに住宅を持つ必要性も薄くなりつつあります。
良質な住宅の必要性は理解できますが、従来の家の考え方がこれから変わるかも知れませんね。
第六の知恵:将来の保障を確実にすべく、今から資金準備に取りかかるべし
・今日から未来の生活に備えよ
アルカドの六日目の講義要約:
どんな人間の一生も、子供から老年へと進みます。
自分がもはや若くないときには、将来に備えて相応の所得を用意しておくこと、たとえあなたが死んでも家族が快適な生活を続けられるように準備しておくこと。
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(解説)
貯金の好きな我々日本人は、当たり前のこととして将来への貯えを考えます。
年金に不安を覚える若い世代は、我々より考え方が堅実かもしれません。
昔は高い車を持つことが一種のステータスでしたが、今の若者は車を持つことに価値を見出していないようです。
今を楽しむより、老後への備え。。。
ある意味、寂しいというか可哀そうというか。
こんな世の中でよいのでしょうか。
第七の知恵:明確な目的に向かって、自己の能力と技量を高め、よく学び、自尊心を持って行動すべし
・自分こそを最大の資本にせよ
アルカドの七日目の講義要約:
自らの能力を開発すること。
仕事の技量を高めること。
勉強して考えを深くすること。
自尊心をもって以下の5項目のような行動を取ること。
・借金はなるべく早く返す
・支払い能力を超える買物はしない
・家族から慕われ、尊敬されるように努める
・遺言書をきちんと作っておくこと
・親しい人には思いやりのある態度で接する
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(解説)
ここでは「稼ぐ力」の重要性を説いています。
常に自分の能力や技量を高めること。これはある意味、職人や匠を尊ぶ日本人としては納得のいく知恵でしょう。
ただ、サラリーマンの観点から見れば、自分の能力開発というものに重きを置いてきたのか疑問です。従来は、スペシャリスト指向よりゼネラリスト指向でした。
終身雇用、年功序列が崩れる昨今においては、自己の能力と技量を高めて「稼ぐ力」を延ばしていくことは、特に重要になって来ることと思われます。
これって、たぶん一生続けなければならない、ということですね。
大変そうだけど、結構面白いのではないでしょうか。
(まるで他人事で済みません)
まとめ
さて皆さん、いかがでしたか?
「【息子に教えたい】バビロンの大富豪、黄金の7つの知恵とは」をご紹介しました。これからご子息と会話をする上での参考になったでしょうか。
実際に「黄金の七つの知恵」を見てみると、我々に足りていないのは、以下の3つの知恵ではないかと思います。
第三の知恵:貯えた金に働かせよ(増やす力)
第四の知恵:危険や天敵から金を堅守せよ(守る力)
第七の知恵:自分こそを最大の資本にせよ(稼ぐ力)
これらの力が十分あれば、自分の人生も違うものになっていたかも(まだ間に合うか?)。
これらの知恵は自分の子供たちに伝えていきたいと思います。
最後に、原本のご紹介して終わりにしたいと思います。読みやすいまんが書籍も出ていますので、ご参考になれば幸いです・
では、明るく、楽しく、前向きに、毎日をお過ごしください。
(「バビロンの大富豪」リンク)
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