・この記事がお役にたつ人
・定年後の引きこもりを後ろめたく思っている方
世の中一般は「引きこもり」が悪いことという風潮が主流です。これは定年後に引きこもっても同様で、定年後は外で働け、ご近所との付き合いを大事に、などと一斉に言われます。
でも、40年近くも滅私奉公した後も好きなようにさせてもらえないなんて辛すぎます。定年後くらいは好きなようにさせて欲しいものです。
なぜ「定年後の引きこもり」が問題ないのかを見てみましょう。
定年後の「引きこもり」の現状とは
定年後、男性の「引きこもり」が問題になっているようです。
最近、ビジネス雑誌などで何回も取り上げられ、あたかも社会問題かのようです。特に、引きこもりによる鬱病や運動不足による生活習慣病の悪化、暴言や認知症の進行など、ろくなものではないようです。
定年男性の「引きこもり」は本当に問題か?
でも、定年後の「引きこもり」は本当に問題なのでしょうか?
取り上げている記事を見ると、いくつかの極端な例を出して、いかにも引きこもりが大きな社会問題を引き起こしているように描かれています。
このような記事を読むと、本当に「定年後の引きこもり」はとても大変な社会問題だと思えてしまいます。
でも、よく見てみると、いろいろな記事で引用されている「中高年の引きこもりが61万人」というショッキングな記事。これは40歳以上の引きこもり総数であり、定年退職後の引きこもりの数字ではありません。ちょっと意図的ですね(下記資料参照)
実体は良く分からない
結局、実体なんか良く分からない、というのが本当ではないでしょうか?
マスコミでは、さも「定年退職者の引きこもりが大問題だ!」などとミスリードするような記事で煽りますが、上記のようにそれを証明する数字的根拠は薄く、極端で悲惨な事例をいくつか取り上げて、あたかも悲惨な状況が普通であるかのような錯覚をさせている、というのが実態のように思います。
数字的な裏付けがないものですから、はっきりとは言えないというのが、正しいと思われます。
定年後の「ひきこもりは」悪なのか?
定年後の「ひきこもり」に関する議論を見ると、「ひきこもり」は悪いこと、という前提から議論しています。本当にそうなのでしょうか?
定年後の「引きこもり」、何が問題なのか?
定年後の「引きこもり」について何が問題なのか明確にしている記事は実際少ないです。議論自体が「引きこもりは悪」が前提なので当然でしょう。
ただ、以下のような事柄が問題だ、と指摘しているものもあります。
・人と接しないので鬱病になりやすい
・運動不足から生活習慣病や認知症になりやすい
・外で少しでも収入を得たほうがよい
これらを見ると、何が問題なのかよくわかりません。
孤立しているのが問題なのでしょうか?運動不足などと言われるのは余計なお世話です(定年後運動を一所懸命行っている人は多いです)。
結局、近所付き合いをしなくて、自宅で好きな事をしているのは全て悪、とでも言っているようなものです。
ステレオタイプの「男のひきこもり像」
いろいろな記事や雑誌の議論を見ると、ステレオタイプの「男のひきこもり像」をでっち上げ、家にいてあまり近所と付き合わない定年退職者を「引きこもり」としてバッシングいるようにしか思えません。(もちろん一定数は良くない引きこもりの人がいるのも事実でしょうが、あたかもすべてがそうだと言わんばかりの言い方が問題)
残念ながら非常に偏ったものの見方のような気がするばかりでなく、以下のような事柄が残念です。
・いくつも極端な例を挙げて不安を煽る
・定年退職者の引きこもりをステレオタイプの困った人として扱う
これらの議論が度重なって”いわゆる”「ひきこもり」状態にある人たちが、”自分の状況がまずいかもしれない”と後ろめたく思わせてしまうことになりかねません。このようなことがまかり通って良いのでしょうか。
また、これらの記事を書いているのが、定年退職前の若い現役の人か、定年関係をネタに記事を書いて収入を得ている人ばかりのようで、本当に定年退職者の立場になっていないように感じます。
定年後は「わくわく生活で充実させよう」など大きなお世話
また、良く言われるのが以下のようなことです。
・ご近所付き合いをして楽しい生活を送りましょう
・体が丈夫な限り外で働きましょう
・新しいことにチャレンジしましょう
・毎日わくわく生活できるよう充実させましょう
40年前後も宮仕えをして、ゆっくりしたいのに今さらどうせい、というのでしょうか。
はっきり言って迷惑です。折角手に入れた自由の時間を外野からとやかく言われる筋合いはありません。
くだらない人間関係などないほうが良い
ご近所付き合いや旧友との親交は積極的にすべき、などという安直な議論は良く聞く話です。
今まで、我々サラリーマンは下らない人間関係で苦しめられて来たのです。
「理不尽なことをいう客」
「情報弱者のオッサンを見下す若手社員たち」
やっとこれら天敵から解放されたと思ったのに、今さら煩わしい人付き合いをこれから構築してどうしろと言うのでしょう。
もちろん好きで新しいお付き合いを開始するのであれば良いですが、付き合いを押し付けるのは筋が違うと思います。
我々世代は、下らない人間関係など「断捨離」する時期に来ているのです。
もう、気の合う人だけと付きあえば良いのではないでしょうか。
以上のように、ステレオタイプの「定年後のあるべき姿」を描いているのが、いわゆる「定年本」というものです。
確かに役に立つ部分もあると思いますが、ある意味一方的な先入観を持たせることに一役買っているとも言えるのではないでしょうか。代表的な「定年本5冊」を比較してみましたので、ご興味があればどうぞご確認下さ。
なぜ「引きこもり」を悪にしたいのか?
なぜこのように「定年退職者のひきこもり」バッシングがひどいのか。。。Googleで検索しても、「定年退職者のひきこもり」を擁護する議論は皆無でした。
そこで、なぜ「ひきこもり」を「悪」にしたいのか考えてみました。
ダンナが家にいると世話が大変な奥さん達の意見
定年退職したダンナが一日中家にいると大変な奥さんの意見が大きいのでしょうか。
今までは、子供のついでに作っていた朝食と、土日の夕食くらいを用意すればよかったのに、三度三度の食事を用意するなんて耐えられない、という意見です。
そのため、ダンナは今までどおり、平日は外で働くべき、という意見です。
これは、専業主婦を謳歌してきた奥さん連中の甘えではないでしょうか?
子供が小さい時に全く面倒を見れなかった我々の問題は認識しています。でも、子供が中学生、少なくとも高校生以降は楽勝な専業主婦生活でしょう。
10年以上も楽勝生活をし、かつその間に自分の居場所を確保して、今さらダンナが邪魔とは何を言うかですね。
「ひきこもり」問題を記事にしたいマスコミや、問題提起したい各種利害関係者
定年後の「ひきこもり」問題を商売のネタにしたいマスコミやライター関係者、この件で自分たちをアピールしたい各種利害関係者などが、大きな社会問題として取り上げる、ということでしょうか。
確かに一部の定年退職者がある意味良くない引きこもりで問題が発生しているのは事実でしょう。
しかし、そんな問題はどの世代でも発生していることで、特段定年退職者全体が問題になることでもないでしょう。
どれだけの定年退職者が「引きこもり」で問題を起こして、社会に悪影響を及ぼしているのか、具体的な数字の裏付けをもって説明すべきでしょう。
センセーショナル的ないくつかの事例で全体を語るのは好ましいことではないと思います。
退職後も元気なうちは働かせたい国(政府)
穿った見方をいすれば、定年退職後も元気なうちは働かせたい国(政府)の意向もある、とも見えます。
定年だからといって、すぐに隠居生活に入らず、体の動くうちはできるだけ働きなさい。低賃金でも働く仲間に囲まれて楽しい老後が送れます、というものですが余計なお世話でしょう。
国(政府)も年金財政の関係でできるだけ老人にも働いてもらいたいと思うのは理解できますが、それは個人に任せるべきだと思います。働く必要があれば働くし、働きたくなければ働かない。何十年も働いてきた後には選択の自由くらいは欲しいものです。マスコミ等を使っての同調圧力は良くないでしょう。
老人の(良い意味での)引きこもりが多いと誰かが都合が悪いということですかね。。。
新しい「定年後の引きこもり」とは?
定年後はしたいことをすればよい!
定年後はしたいことをすればよいと思います。(もちろんお金があればですが。。。)
なぜ、40年前後も辛いサラリーマン生活をした後まで、他人に「こうあるべき!」と指図されないといけないのでしょうか?
定年後は自由です。好きな事を、好きなだけしましょう。
・アクティブに過ごしたい人はアクティブに過ごす。
・引きこもりたい人は引きこもる。
好きな事をやって何が問題なのでしょうか?
もうお迎えはそこまで来ているのですから、今やりたい事をやらないと、やる時がありません。
定年後の引きこもりにはそれなりのルールがある
定年後は何をやっても良い、「定年後の引きこもり」だってアリ。
引きこもっても良いのですが、嫌われる「引きこもり」は避けたほうが無難でしょう。
また、いくら奥さんが専業主婦で楽勝三昧生活を謳歌しているといっても、我々が昔に犯した育児放棄が許されたわけではありません。
ここはお互いにある程度譲り合って、居心地の良い部分で妥協することが無難ではないでしょうか。奥さんに「夫源病」とか言われて騒がれても厄介なだけです。
つまり、定年前のつかず離れずの状態を維持する、ということです。
定年前の生活スタイルを変えなければ、特に奥さんから文句を言われる筋合いはない、ということです。
例えば、以下のようなことです。
(または、朝食・夕食は現役時代と同じスタイルを踏襲する)
・平日は自室にこもるか外出して、リビングに出没しない
・平日は極力奥さんと顔を合わせない(避ける)
※できれば平日は外出する
・定年前にしていた役割はこなす
※定年後に話し合いで役割を見直すことも考える
下記の記事も参考にしていただければ幸いです。
まとめ
さて皆さん、いかがでしたか?
「【勝手にさせろ!】定年後の「引きこもり」がなぜいけないのか?」をご紹介しました。これから定年後の「引きこもり」生活を送る上での参考になったでしょうか。
最近の定年退職者の「引きこもり」議論は一方的すぎるきらいがあると思います。引きこもり自体が悪いこと、という前提で議論されており、間違った方向へ誘導しているように見えます。
つまりこのような同調圧力から、定年退職した人たちが「引きこもり」を悪いことと捉え、無理に近所と付き合いを始める、外でボランティアを始める、などして辛い思いをすることになりはしないか、ということです。
繰り返しますが、定年退職したのだから、無理して嫌な人たちと付き合う必要など、さらさらないのです。
気の合う人とだけ付き合えば良いし、気の合う人がいなければゲーム三昧でいいじゃないですか。
もう無理をせず、明るい「ひきこもり」を目指しましょう。
では、明るく、楽しく、前向きに、毎日をお過ごしください。
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