シニアに最適、米国高配当ETFのはじめ方

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・お悩み

昨今の低金利のため、預金に利息がほとんどつかないので困っている。ある程度利息がつけば、旅行とか美味しいものがもっと食べられると思うのだが。何か良い運用方法はないものか?

お悩みはごもっともです。
実は米国高配当ETFという、おすすめの投資先があります(決して怪しくないです!)。
日本ではあまり知られていませんんが、世界のスタンダードといえる投資商品です。リスク資産ではありますが、安定していて高い配当が期待できます。一緒に考えていきませんか?

米国高配当ETF投資とは?

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まず最初に、米国ETFについて簡単にご説明します。
日本ではあまり聞きなれない商品ですが、アメリカでは主流の投資方法になっています。

米国ETF(上場投資信託)とは

米国ETFとは、米国株式市場に上場する投資信託で、米国株式のみならず世界中の株式が組込み対象になっています。特徴は以下の3つ。

①リアルタイムで取引できる

一般の投資信託とは違い、米国株式市場に上場しているため、普通株と同様に株式市場でリアルタイムに売買できます。日本からもパソコンでリアルタイムに取引可能です(米国市場が閉まっているときは発注予約となる)。

②リスクを分散できる

ETFは投資信託の一種なので、目的に合わせて多数の銘柄でポートフォリオを組みます。そのため、米国ETFを1本購入するだけで自動的にリスク分散の投資ができます。米国ETFの組み方で、いろいろなリスク分散の手段を取ることができます。

③低コストで運用できる

米国ETFは経費率(信託報酬とほぼ同義)が非常に安く設定されています。これは、流通量が何十兆円と桁違いに大きいことからできています。
米国ETFは経費率は年間0.03%~0.1%程度であり、日本で販売されている投資信託の信託報酬に比べ桁違いに安くなっています。

なぜ米国高配当ETFがおすすめなのか?

米国株ETFにはいろいろな種類があります。
例えば世界最大規模のETFとして有名な、バンガード社 S&P500 ETF(経費率 0.03%)は、S&P 500指数に連動するインデックス型ETFです。

今回お勧めの「米国高配当ETF」は、米国上場株式の中で高配当銘柄を厳選してポートフォリオを組んだETFになります。特徴は以下のとおり。

①高配当を目指す

名称のとおり、高配当を狙ったETFで、年間配当は今までの実績で、3.5~5%程度です。ETFの種類により実績配当率が違ってきています。もちろん高配当のETFほどリスクが高くなります。

②成長性は低い

高配当企業は成熟企業が多いため、成長性は低いです。
つまり、インカムゲイン狙いで、キャピタルゲイン狙いではないということです。
例えば、急成長中のGAFA企業などは無配か低配当なので組み込まれることはありません。

③好不況の影響を受けにくい

高配当企業は景気にあまり左右されない業種が多く、不況時にもあまり配当が下がらないという傾向があります。そのため、一時的に大きく株価が下がったとしても、じっくり待って株価の回復を待つことができます。

④出口戦略を考えなくてよい

一般の株式や投資信託は配当より成長性を重視しているため(キャピタルゲイン狙い)、売却によって主な利益が得られます。でも、売却タイミングで利益に大きく差が出るため、いつ売却するかは株式投資でいちばん難しいことです。
でも、米国株高配当ETFは配当が主目的なので、売却を考える必要がありません。つまり心穏やかに過ごせることになります。

⑤将来のリスクヘッジになる

将来のインフレへのリスクヘッジになります。
日本は現在デフレですが、いつインフレになってもおかしくありません。年金だけだとインフレで目減りすることが十分予想されます。インフレに強いと言われている株式投資で、将来のインフレへのリスクヘッジができます。

⑥為替リスクがある

米国株高配当ETFはドル建てのため、当然為替リスクがあります。でも、リスクにはプラスとマイナスの面があり、悪いことだけではありません、この場合も、円高に振れればマイナス、円安に振れればプラスになります。
見方を変えれば、円資産だけを持っていることへのリスクヘッジにもなるともいえます。

以上のように、米国高配当ETF」投資は、30年後の100万円より今の10万円を確実に得るための投資法です。先の長くない?我々シニア世代にうってつけの投資方法といえるでしょう。

※高配当株投資の詳細は以下の記事を参考にしてください。

【内部リンク】自分年金を作る、高配当株投資とは?

米国高配当ETFの始め方

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まずは実際に始めて見ることが大事です。
全ての準備ができてから動くのでは、いつまで経っても高配当株投資ができません。
まずは動いて、経験を積みながら勉強して、小さく失敗してまた経験を積んでいく、ということが大事だと思います。何事も初めからうまくいくことは難しいものです。

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 動いて→失敗して→経験して→勉強して→また動く。。。
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この繰り返しです。
ですから、最初は少額から始めましょう。決して全ての預金を全額突っ込むことなどはしないようにしましょう。
手順は以下です。

※以下、SBI証券の取引をサンプルに記述していきます。

証券口座を開設する

まずは米国ETFが取引できる証券口座を開設しましょう。
米国ETFを幅広く取り扱っているのは、ネット証券の一部のみ。お勧めは、以下の2社です。

・SBI証券 の口座開設はこちら
・楽天証券 の口座開設はこちら

各証券会社の詳細は以下の記事をご参照ください
【内部リンク】おすすめネット証券会社の徹底比較(予定)

上記2社ではNISA口座でのETF取引手数料が無料になります(通常は0.45%)。つまり最大で年間120万円、5年間で600万円分の取引手数料がタダ。もちろん、NISAなので配当金には税金がかかりません。
ETF取引手数料は約定代金の0.45%とはいえ、利用しない手はありませんね。

外国株式口座を開設する

外国株式を取引するためには、証券総合口座とは別に「外国株式口座」を開設する必要があります。
これは書類の確認などが主なので、申込をすればその場で完了します。

【SBI証券での画面選択】

外国株式 ⇒ 口座開設・ ⇒  今すぐ外国株式口座開設
海外ETF   お取引までの流れ
(上部タグ)(2段目タグ)   (ページ上部のボタン)

これで外国株式口座開設が終了しました。
続いて 外国株式口座開設のStep2で「証券総合口座への即時入金処理」ができます。面倒なので、多少の金額を振り込んでおくと手間が省けます。
※自動的に銀行の振り込み画面と連動します。

NISA口座の開設

次は、NISA口座の開設です。
もし、他社のNISA口座から当証券会社にNISA口座を移したい方もここで処理をしておきましょう。

【SBI証券での画面選択】

NISA     ⇒  NISA/つみたてNISAに
つみたてNISA      申し込む
(上部タグ)   (ページ内のボタン)

購入する株を選ぶ

米国高配当ETFにはいくつか種類がありますが、お勧めは以下の3種類です。とりあえずどれか小さく買ってみましょう。勉強は実践をしながら徐々にしていきませんか。以下の3銘柄は米国ETF最大手3社のものです。
※分配利回りは直近のもので、配当期毎に変動します。
※ティッカー:個々の銘柄を識別するためにつけられた記号

①ティッカー VYM
ETF名称   バンガード 米国高配当株式ETF
経費率   0.06%
分配利回り 3.21%
構成銘柄  平均配当率以上に配当する420社
おすすめ  高配当+将来的な成長性も欲しい

②ティッカー HDV
ETF名称   iシェアーズ 米国高配当株ETF
経費率   0.08%
分配利回り 4.10%
構成銘柄  高配当なディフェンシブ銘柄75社。
おすすめ  高配当だけど財務が安全・安定している

③ティッカー SPYD
ETF名称   SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF
経費率   0.07%
分配利回り 5.01%
構成銘柄  S&P上位高配当株 80社
おすすめ  とにかく高い配当が欲しい

株を購入する

【SBI証券での画面選択】
外国株式 ⇒  米国  ⇒ 外国株式のお取引はこちら
海外ETF
(上部タグ)(2段目タグ) (ページ下部のボタン)

「4.購入する株を選ぶ」で選択した米国ETFの銘柄を入金額の範囲で少し買ってみる。

1回目はまずETFの購入体験をすることが重要なので、「成り行き」で購入してみましょう。ファンドの規模が大きいのでそれほど急激な値動きで大損することはほぼありません。

※米国ETFはリスク商品です。必ずご自分の意思で購入ください。

配当金を得る

各ファンドとも、3,6,9,12月に配当があります。
配当金が得られたら、自分にご褒美?でしょうか?

米国高配当ETF投資の運用

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リスク分散

米国高配当株ETFはリスク資産です。
ETF自体で多数の株式に分散投資してリスクを低減させてはいますが、ご自分でもリスク分散できる手立てはとっていきましょう。
できるリスク分散の方法としては以下の2種類です。

1.銘柄分散

銘柄分散には例えば、インデックスETFと高配当株式ETFを組み合わせる、高配当株式ETFの複数銘柄を組み合わせるなど、いろいろあります。
これから徐々に勉強して銘柄分散の方法も検討しましょう。

2.時間分散

もう一つのリスク分散の方法は時間的な分散です。
株式市場自体はどうしても波があります。そのため長期間かけて購入することで、変動の波を平準化することができます。
あせらずにゆっくりと資産形成していきましょう。

米国高配当ETFの運用

米国ETFの資産形成は、できるだけ時間をかけて資産を積み上げる方式が良いと言われています。
一気に全財産をつぎ込むと、株式の暴落、為替の変動などの影響を大きく受けてしまう危険があります。そのため、5年のNISA枠を使い切るころにETFの資産形成でいるくらいの時間軸でどうでしょうか。そのためには、定期買付けがベストでしょう。
長い老後を考えれば、金のなる木を育てるのに5年くらいかけても全然問題ないでしょう。

なお、SBI証券には、「米国株式・ETF定期買付サービス」があります
私も利用していますが、この便利なサ-ビスを利用するのも手だと思います。

基本はほったらかし、だが。。。

基本戦略は「ほったらかし」です
値動きをいちいち気にする必要がないのはとてもありがたいことです。毎日心穏やかに過ごせますね。

でも、全然気にしないのもちょっと考えものです。
全体の経済動向や、為替動向などには少し気を配りたいですね。
毎月少しずつ投資していくわけですが、各ETFのパフォーマンス状況によっては、投資配分を変えていく、入れ替えるなども長期的には検討することもありかもしれません。
でも、各ETFでも銘柄の入替えなどは順次しているので、すぐにこねくり回さず長期で見ていく必要があります。

まとめ

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さて皆さん、いかがでしたか?
「シニアに最適、米国高配当ETFのはじめ方」をご紹介しました。これから日々の投資生活を送る上での参考になったでしょうか。

米国高配当ETFを購入したら基本はほったらかし戦略ですが、定期的なチェックと経済状況の情報収集は必要です。また、投資の勉強は引き続き行っていきましょう。何もせずに大きなリターンが得られるほど世の中甘くありません。ボケ防止にもちょうどよくないですか?(人のことは言えませんが!)

最後に、くれぐれも「欲」はかかないようにしましょう。
人間なので、どうしても欲はでてしまうものですが、欲はリスクを増大させますので、シニアには大敵です。

では、明るく、楽しく、前向きに、毎日をお過ごしください。

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