・お悩み
定年までまだ時間はあるが、年金予定額が少なく不安だ。
貯金自体はそれなりにあるのだが、昨今の低金利のためうまく運用ができていない。どうにかうまく運用して年金の足しにできなものか?、
お悩みはごもっともです。
どうしても公的年金だけでは不足します。また、昨今の低金利では運用もままなりません。もっとうまく運用できないもののか悩みますよね。
でも、こんなご時世でも、年3~5%の運用益が出る高配当株投資という方法があるんです。もちろんリスクも多少はあるのですが、できるだけリスクを低くして高収益を得ることも可能です。
一緒に良い方法を考えていきましょう。
高配当株投資とは?
・高配当株投資とは?
高配当株投資とは、配当金をねらって株を買う投資法のことを言います。つまり、配当利率の高い高配当株式に投資して、お金を増やしていこうという資産運用の方法です。
(※配当利率の高い株式:株価が安い割に、配当金が多い株式)
・キャピタルゲインとインカムゲイン
高配当株投資はインカムゲインを狙う投資法です。
投資では、インカムゲインとキャピタルゲインを狙う2種類があります。
インカムゲインとは「資産を保有している間に得られる利益」のことをいいます。株式でいえば配当による収益のことを言います。つまり、保有し続けることにより収益を得ます。
一方、キャピタルゲインとは、「資産を売却することで得られる利益」のことをいいます。株式でいえば株式の売買を繰り返してその差額で収益を得ることになります。
・成長性ならインデックス投資!
高配当をしている企業は基本的に成熟企業です。そのため、高配当株投資では成長性は狙っていません。例えば、GAFAMなどは高い成長をして株価も続伸していますが、無配か低配当です。高配当投資ではこのような企業には投資しません。低成長・高配当企業への投資が基本です。
もし長期的に成長性を狙うなら、インデックス投資が望ましいと言われています(バフェット一押し)。
・農耕型投資法(桐谷さん)
優待券生活で有名な、将棋の桐谷さんが実践している「農耕型投資法」はまさに、高配当株投資に他なりません。株式の売買ではなく、保有することで果実を得るものです。違いは、高配当株の定義を「配当+優待券」の利回りとして、その合計をを最大化する企業を選ぶということでしょう。
日本株特有の投資方法ですが、優待内容が生活必需品であったり、毎日の生活の潤いになるのであれば、効果的な投資法と言えるでしょう。
なぜ高配当株投資なのか?
自分年金を作るために、なぜ高配当株投資がお勧めなのでしょうか?
もちろん、高配当株投資が日々の株式売買で利益を得るのではなく、「果報は寝て待て」様式の、待ちの姿勢が年配者に合っているのも大きいですが、いくつかのポイントがあります。
年金の補填になる(いま果実が欲しい)
まず、公的年金だけでは不足する老後の生活費を補填するものになるからです。
我々シニアが必要なのは、今の10万円であって30年後の100万円ではありません。公的年金を補填するお金が、いま確実にもらえることが重要です。
その点、高配当株は毎配当期毎に安定して収益を得られ、好不況時にも配当金額の変動が少ないと言われています。好不況で株価が乱高下しようと、配当さえ安定していれば我々には関係ありません。我関知せず放っておけば良いのです。このように、高配当株はとてもシニアの投資方法としては合っているといえるでしょう。
将来のインフレのリスクヘッジになる
高配当株投資は、将来的なインフレのリスクヘッジにもなります。
現在の日本はデフレを克服できていませんが、いつインフレに見舞われるかわかりません、そのとき、公的年金だけでインフレに対応できるのか疑わしいものです。
その点、株式投資はインフレのリスクヘッジになることが知られています。成熟企業の株式とはいえ、インフレ率以上の増配や株式の値上がりが期待できます。
長い老後生活を考えた場合、自動的にリスクヘッジしてくれる自分年金があればありがたいことです。
節税施策を享受(NISA)できる
また、節税対策ができることも大きいです。
通常、利子や配当金には20.315%の税金がかかります。でも、NISAを使えば年間一人120万円、5年間で合計600万円の元本に対しての利子・配当金が無税になります。
これは高配当投資にはとても大きなことで、例えば年4%の配当がもらえる場合、ご夫妻で1,200万円のNISA利用の場合、配当金は48万円。本来なら9万6千円の税金がかかるところ無税になります。
年間約10万円の節税は大きいと思いませんか?使わない手はありませんね。
高配当株投資で気を付けるべきこと
良いことばかりのような高配当株投資ですが、当然良くないところもあります。ここでは気を付けるべき点を考えていきます。
リスク資産であることを知る
高配当株式はリスク資産なので、株価自体が上がったり下がったりします。リーマンショック級の暴落が起こると、一気に30%とか下落する場合もあります。
でも、こんな場合でも慌ててはいけません。別に株価が下がっても平然としていれば良いのです。元本の増減はどうでも良く、問題は配当額が減るかどうかだけです。一般的に株価の変動より配当額の変動は少なくなる傾向があります。
ちゃんとした企業に投資していれば、長期的には株価は必ず戻るので気にしないようにしましょう・
リスク分散の方法を知る
株価自体の変動はそれほど気にする必要がないと言いましたが、その前提には、リスクを分散した投資方法がされていることが必要です。
例えば、配当率がとても良い1社だけに集中投資をした場合、何らかの原因で倒産したらアウトです。日本でも日本航空の例や、倒産まで行かなくても東京電力の例もあります。シニアの場合、1社集中で倒産や無配になったら取り返しがつきません。
投資では必ず、多数の企業に分散して投資すること、そして時間的にも分散して、特定の企業の影響が大きく影響しないようにすることが求められます。
少額から始める
必ず少額から徐々に始めましょう。
人はどうしても欲があるので、早く儲かりたいと大金を一気に突っ込みがちです。でも、投資に慣れていない人が焦るとロクなことがないです。高値で掴んで、株価は下がるは、減配になるわ、などありがちです。
まずは慣らし運転から始めましょう。
資産を増やすことは考えない
もともと、高配当株投資は資産を大きく増やすことが目的ではなく、配当という果実を安定的に得ることが目的です。
先の短い?シニアには、30年後の100万円より今日の10万円が大事です。今から金持ちを目指すのではなく、今の生活を大切にしましょう。
高配当株投資で何を買うのか?
高配当株について解説してきましたが、それでは具体的に何を購入すれば良いのでしょうか?
一般的に言われているのは、日本株の高配当株投資と米国高配当ETF投資の組み合わせが良いと言われています。日本株と米国株を購入することで、為替も含めてお互いにリスクヘッジができるという考え方です。
では具体的に見ていきましょう。
日本株個別高配当株
おなじみの日本株の高配当株について、個別に銘柄を選定して購入していくものです(ポートフォリオを組むといいます)。
日本株で高配当ETF(上場投資信託)の良い銘柄があれば良いのですが、現時点でお勧めできるものが無いので、自分で組むほうが無難でしょう。銘柄の組み方にもよりますが、年3.5%~4%程度の配当であればそれほど難しくはないと言われています。
自分で株を買い進めていくのは結構難しいので、いろいろ調べながら少しずつ買い進めていくのが良いですね。
米国高配当ETF(上場投資信託)
もう一つのおすすめは、米国高配当ETFです。
米国には素晴らしいETF銘柄がありますので、個別株ではなくETF投資だけで十分です。また、ETF自体が数十銘柄に分散投資しているため、2~3銘柄購入すれば、リスク分散もばっちりです。また、極端に安い運用手数料も魅力です。配当は銘柄にもよりますが、年4%前後が見込めるでしょう。
ここ数年、米国株のパフォーマンスは良すぎましたが、米国経済は底力があるのでまだまだ安定成長していくでしょう。
心配は為替リスクですが、日本株と合わせることでヘッジしていきます。
高配当株はどこで買うのか?
高配当株を買うのに大手証券会社の窓口に行ってはいけません。高配当株の購入は、「ネット証券会社」の一択です。
高配当を狙うシニアのとっての大敵は、手数料です。証券会社や銀行窓口に行くと、あの手この手で手数料が1~2%もあるボッタクリ投資信託を売ろうとしてきます
このような面倒を無くすためにも「ネット証券」がおすすめです。
評判の良いネット証券会社は、SBI証券と楽天証券の2社です。
手数料の安さ、米国ETFが購入できる、画面操作がしやすいなど、ユーザー人気もトップ1位、2位です。
まずは、口座開設から始めましょう。
【SBI証券】
SBI証券の口座開設はこちらから
【楽天証券】
楽天証券の口座開設はこちらから
また、一般株式投資関係と米国株投資の参考書は以下です。
よろしかったらご参考にしてください。
【株式一般】
・「世界一やさしい 米国株の教科書 1年生」 はこちら
【米国株 高配当投資】
・「バカでも稼げる 「米国株」高配当投資」 はこちら
※ちょっと癖が強い本です。
まとめ
さて皆さん、いかがでしたか?
「自分年金を作る、高配当株投資とは?」をご紹介しました。これから高配当株投資を検討する上での参考になったでしょうか。
高配当株を購入したら、基本はほったらかし戦略ですが、定期的なチェックと経済状況の情報収集は必要です。
定期的チェックは、日本株でいえば、全体のポートフォリオの株価成績が下がっていないか、米国株高配当ETFであれば、銘柄の成績状況はどうか、そして短中期的な経済動向はどうなっているかなど。
パフォーマンスが悪ければ、銘柄の入替なども考えていく必要がでてきます。
具体的な「高配当株投資の始め方」については別途解説記事を書く予定です。
最後に、くれぐれも「欲」はかかないようにしましょう。
人間なので、どうしても欲はでてしまうものですが、欲はリスクを増大させますので、シニアには大敵です。
では、明るく、楽しく、前向きに、毎日をお過ごしください。
コメント